TPP関税撤廃→追加品を公表

日米など12カ国が大筋合意した環太平洋パートナーシップ協定(TPP)について、農林水産省は8日、輸入する果実や畜産物、水産物、加工食品などの関税撤廃でも合意したと発表したオレンジやサクランボ、牛タン、氷菓、サバなど幅広い品目で段階的に撤廃される

関税を設定している農林水産物834品目のうち協定発効後に約半数で撤廃する海外の安い産品の輸入が拡大して家計にプラスに働くことが期待される一方、国内の生産農家の経営を圧迫する恐れもある

政府は、高関税で保護してきたコメ▽麦▽牛・豚肉▽砂糖▽乳製品の「重要5項目」のうち主な品目については、関税引き下げなどの合意内容を既に発表しているが、それ以外の品目を追加で明らかにした

オレンジの関税率は現在、6~11月に16%、12~5月に32%(国産ミカンの収穫期を考慮し、季節によって異なる)。協定発効後に段階的に引き下げ、4~11月は6年目、12~3月は8年目に撤廃する。12~3月に輸入が急増した場合は関税率を上げる緊急輸入制限(セーフガード)措置も設ける。年間の国内生産量86万トン(温州ミカン)に対し、オレンジの輸入量は年約12万トンで、TPPに参加する米国とオーストラリアがほとんどを占める。

サクランボの関税率は現在8.5%だが、6年目に撤廃する。交渉で米国が「即時撤廃を強く求めてきた」(交渉筋)という。ただ、農水省は「国産サクランボと米国産のアメリカンチェリーは市場ですみ分けが進んでおり、大きな影響がないのでは」とみている。

ケチャップやジュースに使われるトマト加工品は16~29・8%の関税を6~11年目に撤廃する

畜産物では、牛タンやハラミなどの関税率が現行12・8%だが、牛タンは11年目、ハラミは13年目に撤廃する。ハム・ベーコンやソーセージなどの豚肉調製品▽鶏肉▽鶏卵▽はちみつなどの関税も段階的に撤廃される

牛タンやハラミはほとんどが米国などから輸入されているため、輸入業者などによると、関税撤廃に伴い、単純計算でスーパーや焼き肉店などでの価格が1割程度下がる可能性がある。ただ、「為替や牛肉相場の変動に比べれば、関税の価格への影響はそれほど大きくない」(業者)とも言われ、値下がりが小幅にとどまる可能性もある

参考 毎日新聞 2015.10.08

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