TPA法案→米上院動議可決

米議会上院は23日、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉の合意に必要な大統領貿易促進権限(TPA)法案の審議を打ち切り、法案採決に移るための動議を、100議席中賛成60票、反対37票の賛成多数で可決した。採決は24日までに行われる。法案可決には過半数の賛同が必要だが、動議で60票の賛成票を確保したことで、TPA法案は可決・成立する見通しだ同法案が可決すれば、TPP交渉は今夏の大筋合意を目指して前進する

24日までに行われる法案採決も、動議とほぼ同数の賛成票確保が見込まれる。TPA法案は過半数の賛成を得れば可決するため、これを上回る60票の賛同が必要な動議が通るかどうかが、今回の審議の最大の山場だった。中でも、TPPに慎重な民主党の動きが焦点だったが、13人が賛成に回った模様で、可決に必要な60票をギリギリ確保した

下院は既にTPA法案を可決しており、上院でも可決すれば、オバマ大統領の署名を経て成立する。オバマ氏は、自由貿易に伴う失業者対策を盛り込んだ「貿易調整援助制度」(TAA)法案が可決するまでTPA法案の署名を待つ可能性があり、共和党は関連法案の審議も急ぐ方針だ。

TPA法案が可決すれば、今夏のTPP合意を目指す日米など交渉参加12カ国は、首席交渉官会合や閣僚会合の日程など、交渉合意に向けた調整を急ぐ知的財産や関税など交渉が難航している分野で妥協点を見いだせるかが焦点だ

 通商交渉権限を大統領に一任するTPA法案が成立すれば、米議会は政府間の合意内容を修正できず、賛否だけを決める。米議会による修正の可能性があるうちは、各国とも「交渉カード」が切れないため、交渉合意には米国のTPA取得が不可欠だ。しかし米議会の法案審議が混迷し、TPP交渉も停滞を余儀なくされていた。

TPAを巡っては、上院が5月、関連法案とセットの法案を賛成62票、反対37票で可決。その後、下院がセットだったTAA法案を否決した後、TPA法案のみ単独で可決したため、成立には上院が改めてTPA法案を単独で可決する必要がある。ただ、民主党が支持するTAA法案が切り離されたことで、動議でも民主党の賛成票が減る懸念があった。TPP推進の共和党は、賛成票確保のため、TPA法案に続いてTAA法案を審議する方針を示したが、米メディアによると、民主党内から「それでは不十分」との声が上がり、他の法案の審議を賛成の条件にするなど攻防が続いていた。

参考 毎日新聞 2015.06.24

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