SPFだけで日焼け止めを選んでない?

肌を焼きたくない人にとって日焼け止めは強い味方だが購入するときにどういった点を重視しているだろうか塗りやすさ、肌への刺激、無添加、香り…。その中でもUVカット効果は、多くの人が最も重視する項目だろう。こうした中、米国の多くの消費者は、UVカット効果の一つを表すSPF値のみで日焼け止めを選んでいることが、米ノースウエスタン大学医学大学院のルーパル・クンドゥ准教授(皮膚科)らの調査によって分かった。米当局のFDA(食品医薬品局)は、日焼け止めを選ぶ際はUV-Bカット力を示すSPF値だけでなく、肌の老化やがんの原因となるUV-Aをカットする力(日本ではPA値)も参考にするよう勧めている

SPFとPAの違いは?

太陽光に含まれている紫外線は、波長の長さによって紫外線A(UV-A)紫外線B(UV-B)、紫外線C(UV-C)の3つに分けられるUV-Cはオゾン層が防いでくれるので、人間にとって問題になるのは地上に届いてしまうUV-AとUV-B。日焼けを引き起こすのはUV-Bで、これを防ぐ力、詳しく言うとUV-Bにさらされることで日焼けするのを遅らせる能力を表したのがSPF(sun protection factor)値だ

一方でUV-Aは、UV-Bによってヒリヒリと赤くなった肌(サンバーン)を褐色に沈着させる(サンタン)など、シミやシワなど肌の老化(光老化)を引き起こすまた、UV-AもUV-Bも皮膚がんを引き起こす主な原因となっているが、ここで問題なのが、地上に降り注いでいる紫外線のほとんどがUV-Aということつまり、SPF値だけが高い日焼け止めでは、日焼けは防げるものの肌の老化や皮膚がんは防ぎきれないのだ

そのためFDAでは、2011年からUV-Bのみを防ぐ日焼け止めにはSPF値のみ、UV-AもカットするものにはSPF値とともに、広い範囲をカバーするという意味の「broad spectrum」と表示することを義務づけた。なお、日本国内の製品は、UV-Aに対する効果をPA(protection grade of UV-A)値として4段階で表している

SPFだけで日焼け止め選んでない?正しく選べば老化や皮膚がんも防止

SPFだけで日焼け止め選んでない?正しく選べば老化や皮膚がんも防止

 

さらにFDAは、SPF値が15以上で「broad apectrum」の日焼け止めを使った上で、帽子やサングラスなど他の紫外線対策もしなければ日焼けと肌の老化、皮膚がんの全てに対する予防効果はないとしている

日焼け止め選びの基準はSPFがトップ

今回、6月17日発行の米皮膚科専門誌「JAMA Dermatology」(電子版)に報告された調査は、2014年に同大学の皮膚科を受診した18歳以上の114人(男性37人、女性73人)を対象に行われた。

日焼け止めを買う理由で「日焼け予防」(75.4%)と「皮膚がん」(65.8%)が1位、2位だったにもかかわらず日焼け止め選びの決め手として「SPF値の高さ」を挙げる人が半数近くを占めてトップ。「”broad spectrum”の表示」を挙げた人は34.2%で、「敏感肌用の成分配合」(47.4%)や「水や汗に強い」(43.0%)、「価格」(40.4%)よりも下回った

また、SPF値やbroad spectrumが防げる肌への害を正しく理解していた人は皮膚がん37.7%、光老化7%、日焼け22.8%といずれも低く、SPF値の定義を正しく理解していた人も半数に満たなかった

日本式の表示で9割近くが正しく判断

一方、皮膚がん予防には、日焼け止めを使うより日に当たらない方が効果的なことは、ほとんどの人(81.6%)が理解していた。しかし、日焼け止め選びの決め手に「SPF値の高さ」を挙げた人では、この質問に対する正答率が低かったようだ

このほか、SPF値に加え、UV-Aカット力を日本のように星の数(4段階)で表示した製品を見せたところ、9割近くの人が防御レベルを正しく判断できたという。そのため、クンドゥ准教授は「日焼け止めの正しい利用を促すには、こうした具体的な表示への変更が望まれる」と指摘している

参考 Mocosuku Woman 2015.06.29

 

【関連する記事】