SMLサイズ違いの卵→衝撃の真実

毎日の食卓に欠かせない卵最近では卵かけご飯がわざわざ「TKG」などと呼ばれることがあるほか、こだわり卵や専用しょうゆが飛ぶように売れるなど、何かと注目されている。「卵は健康にいい」という特集を組む週刊誌もある

そんな卵を買いにスーパーの売り場に行けば、サイズの異なる卵や色の違う卵、値段が安い卵に高い卵、などさまざまな種類がある。中でも、ふと気がつくのがS、M、L、LLなどの多様なサイズ。同じ生産者がつくっている同じ色の卵でも、小さいほど価格は安く、大きくなるほど高い

サイズの違いは「ニワトリの年齢の差」

たまご博物館館長の高木伸一さんに話を聞くと、卵のサイズの違いは「卵を産むニワトリの年齢の差にある」という

 つまり、もっとも若いニワトリが産む卵がSサイズそれが年齢を経ていくと、M→L→LLと大きくなっていく。これだけ聞くと「なるほど。ニワトリが大きくなることでその分、産む卵も大きくなるのか」とも思ってしまうが、実はこの話はもう少し奥が深い。

Sサイズの卵を産む生後4カ月ぐらいのニワトリと、LLサイズの卵を産む生後1年半以上のニワトリを見比べてみると見た目の体の大きさに大差はないつまり、体が大きくなるから、産む卵が大きくなるという理屈ではないのだ

では、何が違うのか。大きく変わるのは、卵管の太さだニワトリは成長するにしたがって卵管がどんどん太くなり、出てくる卵が大きくなるそれなら中身もそれにつれて増えるかというと、半分正解だが半分はそうではない

どういうことか。もう少し詳しく説明しよう。ニワトリの卵はそもそも、まず卵の黄身にあたる卵黄が、卵管を通って下りてくるこのとき卵白が分泌され、黄身のまわりに白身がつく。そして、体の外に排出される直前のところで殻に覆われ、私たちになじみのある「卵」になって出てくるただ、卵管が太くなって増えるのは、途中で分泌される白身。卵が大きくなるのは、その結果だ

要はSサイズとLLサイズの卵を比べたときに、黄身の大きさはほぼ変わらない大きいサイズの卵の価格が高いのは、白身の量の違いだけといっていいのであるこの事実はまさに衝撃。誤解していた人も少なくないのではないか。

高木さんによれば、サイズの異なる卵は「作る料理によって買い分けるのが賢い買い方」とのこと。つまり、LLサイズなどの大きな卵は茶碗蒸しやメレンゲなど白身を多く使うときに買えばいいし逆にSサイズの小さな卵は、目玉焼きなど黄身がメインの料理を作るときに適している

白い卵と赤い卵に差はあるのか

スーパーの卵売り場で、もうひとつ気になるのは卵の色だ白いニワトリが産む白い卵と、赤い(茶色い)ニワトリが産む赤い(茶色い)卵、赤い(茶色い)卵のほうが若干値段は高い。この差は、いったい何なのだろうか?

「何となく栄養価が高そうで、何となくおいしそう」という理由で、赤い(茶色い)卵を買っている人も多いのではないだろうか?だが、高木さんによると、「与えているエサなどの条件が同じなら、白い卵も赤い卵も、味や栄養素にまったく差はない」という

えっ!これまた衝撃だ

実は品種によって例外ケースがあるもののニワトリには、卵を外敵から守るために、産む場所にあわせて、より目立たない色の卵を産み分ける特性がある

つまり、暗い環境ではより暗い(濃い)色の卵を、明るい環境ではより明るい(薄い)色の卵を産む。というわけで、生産者の中には窓のない鶏舎(ウィンドレス鶏舎)を作り、意図的に色の濃い卵を産ませる工夫をしている業者もいるという。「何となくおいしそうだから」と濃い色の卵を買うのは、単にイメージに踊らされているだけの話かもしれない

毎日食べる卵のサイズや色の「差」から、思わぬ世界を垣間見た。

参考東洋経済オンライン 2015.05.23

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