MRJ最大のライバル、エンブラエルE190-E2

 ブラジルのエンブラエルは現地時間5月23日(日本時間24日)、次世代リージョナルジェット機「E190-E2」の初飛行に成功した。当初は今年下半期に実施予定だったが、前倒しした

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E190-E2は三菱航空機が開発を進める国産初のリージョナルジェット旅客機「MRJ」にとって最大のライバル初飛行に成功したことで、開発が遅れているMRJは苦戦を強いられそうだ

◆高度4万フィート到達

E190-E2の飛行試験初号機(登録番号PR-ZEY)は、午後1時6分に工場のあるサンジョゼ・ドス・カンポスを離陸。3時間20分の初飛行に成功した。飛行試験初号機がロールアウトしたのは2月25日で、3カ月で初飛行にこぎ着けた。飛行速度はマッハ0.82、高度は4万1000フィート(1万2496.8メートル)に達した。上空では主脚と前脚を格納し、フラップを操作した。

飛行試験機は4機製造。量産初号機の引き渡しは、2018年を予定している

E2シリーズは、現行のエンブラエル170(E170)とE175、E190、E195で構成する「Eジェット」の後継機。E190-E2のほか、E175-E2とE195-E2の3機種で構成する。

メーカー標準の座席数は、E190-E2が1クラス106席、2クラスでは97席。2019年納入開始のE195-E2は1クラス132席、2クラス120席で、2020年に引き渡しを始めるE175-E2は1クラス88席、2クラス80席となる

 三菱航空機が開発を進める「MRJ」と同じく、低燃費と低騒音を特徴とする米プラット・アンド・ホイットニー(P&W)製GTFエンジンを採用。推力の違いにより、E175-E2がPW1700G、E190-E2とE195-E2がPW1900Gを搭載する。座席数も1クラス92席の「MRJ90」や、1クラス78席の「MRJ70」と競合する。また、新設計の主翼も採用し、燃費や騒音を改善する。

E2シリーズは2013年6月に開発がスタートし、これまでに航空会社とリース会社から640機の受注を獲得。内訳は267機が確定発注、373機がオプションや購入権となっている

◆ファンボロー航空ショー前に初飛行

一方、MRJは2月16日に米国の航空機リース会社エアロリースと20機(確定10機、オプション10機)の発注について基本合意(LoI)しており、契約締結に至ると受注機数は427機(確定233機、オプション170機、購入権24機)になる。

GTFエンジンを搭載する次世代リージョナルジェット機は、MRJが開発で先行していたが日本にとって50年ぶりの旅客機開発のため開発が難航。初号機の引き渡し時期は4回延期され、現時点ではE190-E2とほぼ同時期の2018年4-9月ごろを予定している

エンブラエルのEジェットは、50カ国の約70顧客によって運航されており、市場シェアは50%超にのぼる。日本国内では、E190-E2のベースとなるE190を、日本航空(JAL/JL、9201)グループのジェイエア(JAR/XM)が5月10日に就航させた。

7月に英国で開かれる世界最大級の航空ショー「ファンボロー航空ショー」の開催前に初飛行したことで、既存機のシェアだけではなく、実績面でもE190-E2はMRJに対して優位となった

Tadayuki YOSHIKAWA

Aviation Wire2016.05.24

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