DVに走る男たちの特徴とは?

配偶者や家族、恋人など、親しい間柄の相手に暴力を振るうDV(ドメスティックバイオレンス)その発生件数は年々増え続けています。2014年度に「配偶者暴力相談支援センター」に寄せられた相談件数は、10万2963件でした。また、2012年度の全国の児童相談所での児童虐待の対応件数は6万6000件以上にも上ります。どんな人たちがDVに走るのでしょうか?

◆DVとはどんな行為?

2001年に制定された「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」(通称「DV防止法」)によると「配偶者からの暴力」(=DV)とは、「身体に対する暴力」と「これに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動」のことを言います

具体的には、平手で打つ、足で蹴るなどの「身体的なもの」のほか、大声で怒鳴る、無視をするなどの「精神的なもの」、性行為を強要する、避妊に協力しないなどの「性的なもの」などが含まれます

◆DV加害者に下される処分

では、DV行為を訴えられ、加害者と認定された人たちはどのような処分を受けるのでしょうか? 被害者が裁判所に申し立てをして「保護命令」が発令されると、次のような行為が取り締まりの対象となります。

●被害者の身辺につきまとう
●被害者の住居や勤務先を徘徊する
●面会を要求する
●監視していると思わせるようなことを告げる
●粗野または乱暴な言動をする
●電話・FAX・電子メールを繰り返す
●嫌がるものを送りつける
●名誉を傷つける行為をする
●性的羞恥心を害する行為をする
●親族等へのつきまといや徘徊を繰り返す

保護命令に違反した加害者には、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されます。実際には、保護命令違反に留まらず、暴行罪や傷害罪の疑いで逮捕されるケースも少なくありません

2013年のデータによると、配偶者間における犯罪の検挙の総件数は4444件で、その内訳は傷害が2154件、暴行が2135件、殺人が155件となっています

◆DV加害者のタイプ

内閣府男女共同参画局のウェブサイトにある「配偶者からの暴力被害者支援情報」ページには、DV加害者のタイプとして次のような特徴が挙げられています

●一定のタイプはなく、年齢・学歴・職種・年収には関係がない

人当たりがよく、社会的信用もあり、周囲の人からは「家で妻に対して暴力を振るっているとは想像できない」と思われている人もいる

家庭という密室の中でのみ暴力を振るう人がいる一方、普段から誰に対しても暴力的で、見知らぬ人に対しても言いがかりをつけて暴力を振るう者もいる

アルコール依存や薬物依存、精神障害等が関連して暴力を振るっていると考えられる者もいる

◆DVの動機:人間としての未熟さ

上に挙げた相談件数や対応件数の多さからすると、DVはもはや、少数の精神病質(サイコパス)の人による異常行動とは言えないかもしれません

心理学では古典的な概念に「フラストレーション-攻撃仮説」があるます。この考えに沿えば、DV加害者は生活上のストレスや不満を、妻や子供を攻撃することで憂さを晴らしているいえます。別の言い方をすれば、DVに至るような心理的危機は誰にでも起こり得るということです

通常なら、そこで抑制が働き、暴力にまで発展することはないでしょうそこで歯止めがかからずDVを働いてしまう人というのは、危機状況に陥る閾値(いきち:限界)が極めて低いのです。また、そうした憂さ晴らしの繰り返しが弱者に向く点は、極めて幼児的で、人間として未熟と言えます

上述したように、DV加害者には人当たりがよく、「妻に暴力を振るうようには見えない」タイプも多いため、ある程度親しくなるまではその本性を見抜くのは難しいかもしれませんふとしたきっかけで相手の未熟さを感じたら、「この人は危ないかもしれない」というリスクを勘定に入れておくことは、DVの被害者にならないための心構えとして重要と言えるでしょう

参考 Mocosuku Woman 2015.09.16

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