AIIB→世銀と協力模索

中国が設立を主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)は日米主導のアジア開発銀行(ADB)や世界銀行との協調姿勢を示している人材やノウハウの不足が背景にあり、既存の国際金融機関の手を借りながら業務を軌道に乗せたい考えだ日本はAIIBとの協調も模索しているが、アジアで影響力拡大を図る中国への警戒感も強めている

AIIB総裁に内定している金立群氏が毎日新聞のインタビューで示した初年度の融資見通し20億ドルは世銀やADBとの協調融資が大部分となる可能性がある。国際金融関係者は「中国側が言う『世銀やADBを補完する存在』としてスタートを切るのでは」と見る

日本は「AIIBの運営の透明性や公平性に懸念が残る」として米国とともに参加を見送ったインフラ輸出を成長戦略の柱とする日本は、独自で1100億ドルを投じ、アジアで耐久性や安全性に優れたインフラを整備する計画を掲げている

一方、AIIBとの協力も探る。ADBとの協調融資などが実現すると、融資先選びで中国の主導に歯止めをかけ、融資の透明性を求める日本の意向を間接的に反映できるとみているからだ

しかし、9月には日本が先行していたインドネシアの高速鉄道の整備案件で中国に逆転され受注を逃した。日本の技術が優位性を誇る高効率火力発電所の輸出でも低価格の中国製がシェアを伸ばしており、政府内では「AIIBが本格的に動き出せば、中国の商圏がますます拡大しかねない」と警戒する声も上がる。【和田憲二、北京・井出晋平】

◆アジアインフラ投資銀行を巡る主な動き◆

2013年10月 中国の習近平国家主席が設立を提唱

14年10月 中国、東南アジアなど21カ国が北京で設立合意

15年3月12日 英国が参加表明

3月17日 独、仏、伊が参加表明

4月15日 創設メンバー57カ国が確定

6月29日 北京で主な創設メンバーが設立協定に署名

7月16日 世界銀行と協調融資で合意

9月21日 アジア開発銀行と協調融資で合意

年内   設立、業務開始

16年4月~  融資開始予定

参考 毎日新聞 2015.10.22

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