30・40代を襲う→「ミドル脂臭」の正体

「あぁ……俺もついに加齢臭のする歳になったのか…」

6月に入り、本格的に汗ばむ季節がやってきた。この時期、多くの働き盛りの男性を悩ませるのがニオイだろう

30~40代になると、汗臭さのみならず、枕のニオイや妻や子どもなどの指摘から“加齢臭”を実感してへこむ男性が少なくないが、そう思うのはまだ10年、いや20年早い。なぜなら、そのニオイ、おそらく“加齢臭”ではないからだ

● 男のニオイは年齢で変化していた!  30~40代の体臭「ミドル脂臭」とは

よく加齢臭と誤解されがちですが、30~40代の比較的若い世代に発生しやすいニオイは“ミドル脂臭”と呼ばれるものです。汗のニオイ、加齢臭に次ぐ“第3の体臭”と言われています」

こう語るのは、体臭・多汗研究所の所長でもある五味クリニックの五味常明医師だ。五味医師によると、中高年のニオイの代名詞にもなっている「加齢臭」が、実際に多く発生するのは50代以上になってから。その元となるニオイ成分は2-ノネナールというもので、“枯れ草”に例えられるほど、懐かしい“いいにおい”だと感じる人も少なくない

一方、ミドル脂臭はというと、どう考えても“いいにおい”とは表現しがたい。五味医師は以下のように指摘する。

「ミドル脂臭の主成分であるジアセチルが放つニオイは、『つわり香』と呼ばれ、胸がムカムカするほどの不快感を与えるのが特徴です。日本酒の醸造過程で生まれることがありますが、もし原酒樽のなかにほんの少しでもジアセチルが発生した場合、香りや風味が一気に失われ、樽ごと廃棄しなければならないほど、ニオイの強い成分なのです

 少量でも周囲を不快にさせる「ジアセチル」。これが30代・40代のニオイの原因だと初めてつきとめたのが、大手化粧品メーカー・マンダムでニオイの研究を行う「におい研究員」だ。同社でにおい研究員を務める臭気判定士の久加亜由美さんは、発見までの経緯をこう語る。

「ウェブアンケートで『加齢に伴うにおい(体臭)が変わったと感じる年齢は? 』と尋ねたところ、30代で『変わった』と感じる人が増えはじめ、特に40代で顕著になる結果がでましたしかし、加齢臭の原因物質である2-ノネナールの発生が本格化するのは50代以降。そこで、20代で起こる汗臭と加齢臭の間の段階で体臭が変化していると考え、研究を開始。約7年を費やして1000人ほどのニオイを直接嗅ぐなどして、その種類や強度を調べ悪臭の正体をジアセチルだと突き止めました

20~30代前半では主にワキからくる汗臭がニオイの元になっている。多くの人が心配する加齢臭が多くなるのは、50代以降一方、30~40代ではミドル脂臭が増大すると同時に、汗臭・加齢臭もわずかに発生している。これからわかるように、男性の体臭は年齢によって変化し続けるものなのだ。

● 「耳の後ろ」は洗ってもムダ!  ニオイの元は“後頭部”だった

30~40代は、人生で最も多くの体臭が混在する時期。しかも、「女性の方が男性のほぼ2倍ミドル脂臭を不快に感じやすいうえ、ニオイを発する男性自身は自分のニオイに順化(ニオイに慣れてしまうこと)して、気づきにくい」(久加さん)という特徴もあり、自覚はない人でも対策は急務と言っていい。

ニオイ対策の話になると、よく「耳の後ろを洗ってるよ! 」と自慢げに語る男性がいる。しかし、今回はっきりと申し上げておきたいのは、その対策は間違っているということだ。

マンダムのにおい研究員がミドル脂臭の発生する場所を調べたところ、最も多いのが後頭部で、次いで頭頂部、首の後ろだったという。では加齢臭は耳の後ろから発生しているのかというと、それもまた違う。加齢臭は、主に体幹や背中から発生しているというから、「耳の後ろを洗えばニオイが消える」とは、どうやら都市伝説だったようだ

● あなたはミドル脂臭が出ていない?  チェックリスト10

30~40代のニオイの発生源は後頭部であることから、男性が家族からクサイと指摘されがちな枕のニオイの原因はミドル脂臭だと言っていいだろう。では、あなたがミドル脂臭を発生させているかどうか、確かめるにはどうしたらよいか。下記のチェックリストを確認してみてほしい。

(1)頭や首の後ろあたりがべたつくことがある。
(2)枕カバーに色がつく、または臭いと指摘される
(3)野菜より肉が好き
(4)夜食や間食が多い
(5)ストレスを感じている
(6)汗(特に後頭部付近に)をかきやすい
(7)肥満、太り気味である
(8)決まった時間に食事を取れない
(9)1回30分以上の運動を週に2回以上していない
(10)仕事が忙しく、休みが取れない

いくつ当てはまっただろうか? 当てはまる項目が多ければ多いほど、ミドル脂臭を発生させている可能性は高い。まずは、規則正しい生活を送ることでミドル脂臭の原因物質ジアセチルを軽減。そして、ニオイの元である後頭部と首の後ろを丁寧に洗うことで、ニオイに気を取られず、仕事に集中できる環境をつくることができるのではないだろうか

参考 ダイヤモンド・オンライン編集部 2015.06.04

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