2050年→内燃機関をゼロにするには

CHAdeMO協議会は2016年6月1日、東京都内で第6回総会を開催した。2016年度から同会は一般社団法人として法人格を取得し、活動の幅を広げていく2016年度は、大出力タイプの急速充電器の仕様策定や、中国やインドなど新興国での急速充電器の導入/普及を支援するといった重点課題に取り組む。また、規格の主導権を争ってきたCombined Charging System(コンボ)の普及推進団体、CharINとの連携に向けて動き出した。

【全世界のCHAdeMO急速充電器の設置数などその他の画像】

●「自宅に充電器がなくても、電気自動車に乗るのは不便じゃない」

国内の急速充電器が6000カ所を超えた。CHAdeMO協議会 会長の志賀俊之氏(日産自動車 副会長)は、国内での急速充電器の普及状況について「個人的に電気自動車を購入したが、自宅に充電器がなくても不便な思いをせずに電気自動車に乗れるようになってきた。6000カ所は1つのマイルストーンだと考えている」と評価した

しかし「数が多いように見えて設置されている地域にはばらつきがある。急速充電器の空きを待つ“充電渋滞”にも遭遇する」(志賀氏)と振り返った。また、政府が立てた電気自動車/プラグインハイブリッド車の普及目標を踏まえると「6000カ所では足りない。1万カ所は必要」(志賀氏)だとする。

2015年の電気自動車/プラグインハイブリッド車の国内販売実績は前年から減少して約2万9000台。保有台数は約14万5000台となった。経済産業省は、電気自動車/プラグインハイブリッド車の保有台数を2020年に70万~100万台(2015年比4.8~6.9倍)に、2030年には1000万台(2015年比69倍)に増やす目標だ。CHAdeMO協議会は、電気自動車/プラグインハイブリッド車の普及に合わせて、急速充電器をさらに整備していくという。

●電気自動車の技術動向に合わせて、CHAdeMOも進化を

志賀氏は「電気自動車のバッテリーの大容量化に合わせてCHAdeMOも進化していく必要がある」と説明した。リチウムイオン電池の高密度化や、電気自動車の走行距離500kmを達成できる新型蓄電池の開発などに官民が取り組んでいる

CHAdeMO協議会では2016年度に、現状の3倍となる最大出力150kW級の急速充電器の仕様策定に乗り出す計画だ2020年ごろまでに150kWを定格出力とし、それ以降は複数の台数の同時充電に対応可能な出力350kWの充電インフラを整備していく

2050年には内燃機関のクルマをゼロに

志賀氏は、“気温の上昇を産業革命前と比較して1.5度未満に抑える”という2015年開催の気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)で採択されたパリ協定の努力目標に言及した。

「1.5度未満に気温上昇を抑えるには、内燃機関で走るクルマはゼロにしなくてはならないそのためには電気自動車やプラグインハイブリッドが普及する必要がある。しかし、充電器の規格を自動車メーカーがバラバラに決めるのではユーザーの利便性を損なう」と規格争いの無意味さを述べた。

電気自動車とプラグインハイブリッド車の普及拡大が進む市場に向けては、CHAdeMOのノウハウを活用して充電インフラの整備を支援する。この取り組みは、CHAdeMO規格を採用するよう働きかける目的ではない。

普及拡大が進む市場として、北米や中国、インドなどを挙げている。電気自動車/プラグインハイブリッド車は日本での売れ行きは低調だが、2015年は北米では約12万台、中国では20万台が販売された。中国は前年比で約4倍に伸長している。

北米と中国に加え、インドなど新興国市場では電気自動車/プラグインハイブリッド車の普及に合わせた充電インフラの整備が課題となっていく点をにらみ、CHAdeMOの技術と知見を活用した支援を強化する

具体的には、北米ではIEEEと協力して認証制度の確立を支援していく。中国には既に規格が存在するため、CHAdeMO普及のノウハウで充電インフラの整備を後押しする。また、インドでは充電器の仕様が定まっていないため、啓発活動からスタートさせる。海外には出先機関を設けず、出張ベースで対応する。

●コンボとの争いにも終止符

CHAdeMO協議会はこれまで規格争いを繰り広げてきたCombined Charging System(コンボ)との連携も進める。電気自動車/プラグインハイブリッド車のグローバルでの普及を見据えて、コンボの普及推進団体CharINと協力体制をつくる

“連携”の形としては「統一の仕様を持てれば最良だが、最低でも充電インフラの充実に力を貸し合えるようにする。2030年に向けてどのように連携するか、ビジョンを共有しようとしている段階だ」(CHAdeMO協議会 事務局長の吉田誠氏)。

CHAdeMO協議会とCharINは充電器の高出力化やワイヤレス給電など技術面での協力も模索しているという

MONOist2016.06.02

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