2020年に向かって動き出した日本

 2020年の東京オリンピックを控え、オリンピック関連需要に伴う企業再編が進んでいる。

 みずほ総合研究所が発表したリポート「2020東京オリンピックの経済効果~五輪開催を触媒に成長戦略の推進を~」では、競技会場の新設や観光客増加など、オリンピック開催による新規需要増加は約1兆円、1次波及の所得増を通じた消費増による生産誘発、いわゆる2次波及効果を含めた生産誘発総額は2.5兆円にのぼると推計している。また、雇用では建設や小売、サービス業を中心に、21万人の雇用増を見込んでいる

これに伴って、建設業や製造業、ホテルなどを中心としたサービス業では対応の動きを見せる企業が増え始めている。

例えば、全国的にビジネスホテルを展開するアパホテルでしられる総合都市開発の、昨年4月1日から開始した次期中期5か年計画「SUMMIT5-Ⅱ(第二次頂上戦略)」のなかで、基幹業務のホテル部門において「日本で断トツNo.1のホテルチェーン」を目指すべく、2020年度の提携ホテル含むネットワーク客室数を10万室に設定した。また売上高は1200億円、訪日外国人の宿泊者数を250万人、会員組織「アパカード」会員1500万人を目標に掲げ、2020年までにさらに14軒の新規開業を予定する攻撃的な戦略を展開している

また、持ち株会社のITホールディングス株式会社 <3626> も昨年、大幅な事業再編を行っている。2020年の東京オリンピックやマイナンバー制度の開始に応じた新規事業の立ち上げ、人材不足などを背景にデータ入力や事務代行、プリント業務などBPOビジネス全体の市場規模が2018年度には4兆206億円にまで成長するとの予測を背景に、同グループの株式会社アグレックスにBPO事業の集約を開始したほか、今年4月にはTISとインテック <3819> 間で一部事業を再編した上で、7月にはITHDがTISを吸収合併し、ITHDは「TIS」に社名変更、事業持ち株会社制に移行する見通しだ

製造業では、自動車用防振ゴム・ホース部門で世界トップクラスのシェアを誇る住友理工株式会社 <5191>東京オリンピックや2027 年の開業を目指すリニア中央新幹線など社会インフラの大規模な整備を背景に産業用ホース需要の高まりを見込んで、産業用ホース事業の再編を行う。同社では、京都事業所を新設し、今年 10 月 1 日付で京都府綾部市に京都事業所を新設し、これまで愛知県小牧市本社に置いていた産業用ホース事業部を同事業所に移転することを決定した。また、これと同時に、2013 年 12 月に同市に設立した産業用ホース製造子会社、株式会社 TRI 京都(略称:TRK)へ同事業を移管するとともに、商号を「株式会社住理工ホーステックス」 (略称:SRK-HT)(仮称)へと変更する予定だ

2020年という節目の年に向け、様々な業界で動きが出始めている。直接的であれ、間接的であれ、収益力の高い事業構造を再構築し、競争力の高い商品やサービスを目指すためには、オリンピックという世紀の祭典は良い契機になりそうだ。(編集担当:藤原伊織)

エコノミックニュース2016.04.02

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