10人に1人が感染の爪水虫

「爪水虫」とも呼ばれる爪白癬(つめはくせん)は治療法が増え治しやすい病気になったものの、再発する可能性もある爪白癬の治療と日常生活で注意すべき点について、帝京大学病院皮膚科科長で教授の渡辺晋一医師に話を聞いた。

爪白癬は国民の10人に1人、1200万人がかかっていると推定されています命を脅かす病気ではありませんが、厚くなった爪のために痛みで靴が履けないなど、QOL(生活の質)に影響します。また、放置しておくと家族に感染させてしまう可能性があるので、「孫にうつしたくない」という動機で治療を始める方もいます

爪は角層が厚く、これまでの水虫の塗り薬では効果が不十分なため、飲み薬で治療してきましたしかし飲み薬は併用できない薬が多く、常用薬の多い中高年では使用できないこともあります。また、飲み薬が効きにくいタイプの爪白癬もあります。昨年、初の塗り薬であるエフィナコナゾールが発売され、内服薬が飲めない、あるいは飲んでも効果が得られなかった患者さんも治療できる機会が増えました。ただ、重症の患者さんに対する効果は今後の検証が必要です。

治療は爪が生え変わるまで1年~1年半かかりますが白癬菌が中途半端に残っていると再発しますので、しっかり治療することが大切です。また、治療前に履いていた靴やバスマット類をそのまま使えば再発してしまいます

爪白癬の患者さんには100%足水虫があり治さないままだと10年程度で爪白癬になります。ですから、水虫の予防が爪白癬予防になるのです水虫についての誤解は多く、たとえば、白癬菌が皮膚の表面にあるうちは、かゆみなどの症状はほとんどありません。また、水虫は白癬菌が皮膚についてから約24時間で発症しますが足を軽石や垢すり用のナイロンタオルなどでごしごし洗うと、皮膚の小さな傷から菌が入りやすくなり、半分程度の時間で発症します。つまり、清潔志向が強くごしごし洗う人ほど水虫のリスクは上がります

予防のポイントは足を洗って菌を洗い流したあと、十分に乾かすことです。出勤前のシャワーや公衆浴場に入った後、急いで靴下をはくと、季節を問わず水虫ができやすいので注意してください。

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参考  週刊朝日 2015年7月31日号

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