鼻にシュシュ→インフルエンザ対策

もうすぐやってくるインフルエンザの季節。流行にそなえてワクチンを予防接種する人も多いと思いますが、いま通常の注射とは異なる「鼻ワクチン」が注目されています鼻の中にシュッと噴き付けるだけで効果抜群という鼻ワクチンとはどんなものなのでしょう。

◆鼻でウイルスをブロック!

英語でフルミストとも呼ばれる鼻ワクチンは、インフルエンザウイルスを弱らせた生ワクチンを鼻に直接吹きかけるもの

生(なま)ではない不活化ワクチンを使用する皮下注射と違って、体内だけでなく、ウイルスが取り付いた鼻などの粘膜でも免疫反応を起こせるのが大きな特徴。つまり、ウイルスが体内に入る前に撃退できるとして期待を集めています

また、通常の注射ワクチンは例年流行するインフルエンザウイルスの型を予想して製造されていて、予想が外れると効果が大きく下がりますが、鼻ワクチンの場合は型が変化しても対応できる点も大きなメリットです。しかも、ほとんどの人は1度接種すると1シーズン効果が持続します。

鼻ワクチンはアメリカやヨーロッパではすでに承認されていて、通常のワクチンに比べて高い効果があるとの報告もありますが日本では未承認

日本で鼻ワクチンを接種する場合は、病院やクリニック単位で海外から輸入したものを使用し、料金はおよそ5千円から1万円。ただし未承認のため、何かあったときの公的な補償は受けられません。あくまで自己責任での接種となります

◆副作用のデメリットも

注射のように痛くなく、簡単で効果が高いとなると、日本でも一般化することが期待される鼻ワクチンですが、デメリットとしては副作用の発症率がやや高いことがあります

弱らせているとはいえ生きたインフルエンザウイルスを使うため、頭痛や発熱など風邪に似た症状や、重い場合には喘息やアレルギー性ショック、ギランバレー症候群などに至る可能性もあります

◆より安全な鼻ワクチンへ

そんなデメリットを解消できるとして期待されているのが、徳島大学の研究グループが開発した最新の鼻ワクチン

この鼻ワクチンは生きたウイルスを使わないのが大きな特徴
ウイルスが持つタンパク質をヒトの肺の表面にある「肺サーファクタント」という物質に結合させることによって、免疫反応を増強することに成功したとされます

肺サーファクタントはこれまで、ウシから取ったものが他の病気の治療に使われていましたが、研究グループはより安全性の高い、ヒトと同型のものの人工合成に成功

多くのワクチンをより効率的につくることができるため、新型インフルエンザ流行の際に起きたワクチン不足の解消にも役立つかもしれません。研究グループでは近く人への臨床試験を始めたいとしています。

近い将来、シュッとひと噴きでインフルエンザを安全かつ手軽に予防できる日が来ることを期待したいですね

参考 Mocosuku Woman 2015.09.20

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