鹿島、業界初の全現場3Dデータ活用

ゼネコン大手の鹿島は3日、2016年度以降に着手する全ての建築・土木工事にコンピューター上の3次元(3D)データを活用した設計・施工を目指す方針を明らかにした全現場での導入は業界で初めて従来の平面データよりも工期短縮や効率的な人員配置が期待できる政府も情報通信技術(ICT)の活用による建設現場の生産性向上に乗り出しているが、それに先んじる格好だ

◆イメージを共有

3Dデータに基づく現場管理は建設分野で「BIM(ビム=Building Information Modeling)」と呼ばれ、鹿島はビルなどの建築現場で採用案件を増やしてきた来年度からは道路などの土木現場も「CIM(シム=Construction Information Modeling)」と呼ばれる同様の方式を採用していく。ただ、公共事業では発注者側の求めで従来方式が必要な案件も考えられ、調整を進める

 BIMやCIMは、構造や意匠、設備などの設計情報を3Dデータベースとして集約化したものデータを基に、コンピューター上に仮想建築物などを描き、施主との打ち合わせに活用したり、施工段階では建機の配置決定や資材発注などの工程管理に生かす

平面図や立面図、電気設備の配線図、空調の配管図といった複数の図面を組み合わせる従来方式より、関係者同士がイメージを共有しやすく、配管ミスなどの不備が一目瞭然設計変更の際も、一部を変えると他の必要箇所が自動的に修正されるため、図面を何枚も書き直す必要がない

たとえばBIMの導入前で、鹿島は多いときでビル1棟につき数千ページの図面を作成しており、2次元図面のやりとりでは調整が難航するケースもあった。BIMの導入後は、図面に関わる人員を効率化でき、中には施工までの期間が「数カ月単位で短縮されたケースもあった」という

◆国交省もICT活用へ

国土交通省の調査では、年間の建設投資額は10年度の41.9兆円から14年度は48.4兆円まで上向いてきた今後も20年の東京オリンピックへ向けて都心部を中心に大規模開発がめじろ押しとなっている。建設大手や準大手などが加盟する日本建設業連合会によると、このままアベノミクスによる高成長が維持されれば、25年度には52.6兆円まで拡大すると推計される

ただ、担い手である技能労働者は高齢化の進展で同時期までに約130万人の離職が見込まれ建設事業者が投資に見合った供給を進めるには、約90万人の新規の技能労働者を確保する必要があるだけでなく、並行して35万人相当を省人化できる生産性向上が不可欠とされている

このため国交省も、生産性向上の観点から、公共事業で「i-コンストラクション」と名付けた設計から検査までの全行程におけるICT活用を目指し、昨年12月に有識者会議を立ち上げた海外でも建築現場でのICT採用は主流となりつつあり、大手ゼネコン各社も海外現場などでのBIM導入を進めていた

参考 Sankei Biz  2016.01.04

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