高温高密度のプラズマ→制御可能

核融合発電を目指して磁場で高温高密度のプラズマを閉じ込める研究に取り組む自然科学研究機構・核融合科学研究所(岐阜県土岐市下石町)と九州大学応用力学研究所の共同研究グループは8日、プラズマの磁気面が破壊された状態がプラズマの流れをせき止めてしまうブレーキ現象を、核融研の大型ヘリカル装置(LHD)による実験で世界で初めて観測し、8日付の英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに発表した

 磁気面の破壊は理論予想の少なくとも5倍以上でプラズマの制御に役立つ重要な発見という。共同研究のリーダーで、核融研高温プラズマ物理研究系主幹教授の居田克巳さん(57)は「磁気面を制御すると、プラズマの流れを制御できることが分かり、核融合炉の実現と発電の実現に一歩近づいた」と話している

今回新たに開発したプラズマの流れの構造を精度良く計測する手法と、磁気面の壊れを検証する高度な解析法の二つを使い、LHDで磁気面が破壊した時のプラズマの流れの空間分布を同時計測した。

磁場のねじれを弱くすると、プラズマの磁気面が破壊する現象が起きることは、理論上で分かっていたが、予想を5倍以上も上回る流れのせき止めが起こり、流れがほとんど止まるブレーキ現象を突き止めた

LHDは、磁石でできたらせん状のドーナツ状の籠の中に、水素ガスを入れて超高温に加熱してプラズマを発生させる装置。発生したプラズマは木の年輪のように幾重にも磁気面が重なってできる。

プラズマ中には乱れと流れが共存プラズマの温度が上がると乱れが生じ、周囲をかき混ぜて温度を下げてしまうが、乱れが発達して流れが発生すると、乱れによる渦をすりつぶす働きがあり、温度が高くなる

プラズマの流れをいかに維持するかが、核融合発電の鍵となっている

岐阜新聞web 2015.01.09

【関連する記事】