首都圏電車→五輪めざして進化中

2020年東京五輪・パラリンピックへ向け、首都圏の鉄道各社が通勤電車の新型車両導入や改良を進めている外国人観光客を念頭に置いた多言語を表示できる液晶画面の増設や、省エネルギー化が主要なポイントだ。一方、最先端の制御システムが裏目に出てデビュー当日にトラブルが発生したJR山手線の新型車両では、中づり広告が復活するなどアナログ広告も存在感を放っている。(市岡豊大)

◆新車いろいろ

JR東日本が13年ぶりに山手線に投入した最新型車両は「E235系。運行開始の昨年11月30日、3駅でブレーキやドアに異常を起こし、乗客約700人を30分間閉じ込めるなどの失態を犯して一時使用中止となったものの、詰め込まれている技術は高い。

特徴は、車椅子用フリースペースを全車両に設け、中づりを含む広告類を液晶画面化。さらに列車内の個々の機器類を監視するネットワークシステムを導入し、突発的な故障の予兆を把握できるようにした

相互直通運転する東京メトロ日比谷線と東武スカイツリーラインでも、平成28年度から新型車両を導入する。これまで1両当たりの扉の数が3つドアと5つドアの2種類あったが、両社とも4つドアに統一する。

転落防止用ホームドアの設置を容易にするとともに、乗り場を外国人観光客にも分かりやすくしたまた各ドア上部に多言語案内を表示する17インチ液晶画面も設置する

他にも西武、東武、京成、京急など首都圏の主要鉄道で車両改良計画が進んでいる

東武鉄道広報は「五輪をきっかけに生じる訪日客や国内需要を取り込みたい」と意気込む。

◆中づりが復活

こうした動きについて、鉄道アナリストの川島令三さんは「五輪で東京に注目が集まる時期。海外への輸出も意識しているのだろう」と分析する

川島さんが注目するのはJR東のE235系に中づり広告が復活したことだ。当初、中づり広告は全廃予定だったが、「紙の良さを生かした方がいい」(JR関係者)との意見で営業開始前に急遽(きゅうきょ)、設置が決まったという

川島さんは「週刊誌メディアなど液晶画面化に反対する勢力もある。一方でラッピングトレインというアナログの最たる広告も存在するデジタル化の中でアナログ的なものをいかに残していくか、両者の駆け引きが今後も続くだろう」と分析している

参考 産経新聞 2016.01.04

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