韓日FTAを阻む韓国人の→経済恐日症

韓国は「FTA(自由貿易協定)先進国」だ。世界1位、2位の経済大国である米国と中国をはじめ、締結済みまたは交渉が進行中のFTA相手国・地域は60余りと他国に比べ抜きん出ている。だが、日本とのFTA(日本側名称:日韓経済連携協定〈EPA〉)については官僚も企業家もそろって気乗りしない様子を見せている。彼らの言い分はこうだ。「日本とFTAを結んだところで、製造業の競争力がけた違いの日本から製品が韓国に流入してくるばかりで、対日貿易収支がさらに悪化し、経済的な実益がない反日感情のため国会での批准もラクダが針の穴を通るくらい難しいだろうから、わざわざ苦労して結ぶ必要はない」

世界市場や中国市場で好調なサムスン電子、現代自動車、アモーレパシフィック、イーランドなどの韓国企業も、日本市場では苦戦していたり事業をたたんだりしているのだから、こうした主張も一見正しそうに思える。ならば、これからも日本とのFTAを避け続けたり、現政権が構想する韓中日FTA締結という便法を使ったりするのが最善の策なのだろうか。私の考えは正反対だ。韓日FTAを一日も早く締結して韓国経済に活力を吹き込み、競争を活性化させるべきだ。韓日FTAによって得るものの方が失うものより圧倒的に多いのだ

まず、韓国の2.5倍の人口、4倍の面積を持つ先進国の日本市場を有利に攻略できるようになるのは大きなメリットだこれは需要の減少に苦しむ韓国企業にとって、大きなチャレンジであり、チャンスだ。ある人は韓国の対日平均関税率が日本の対韓平均関税率より3倍ほど高いことを挙げ、韓国の機械・自動車産業などが日本に市場を明け渡し、日本企業に従属することになると主張する。果たしてそうだろうか
1998年に日本文化を開放した際には「韓国が倭色(和風)文化で覆いつくされる」といった悲観論が強まったが、それから10年以上たち、J-POPは退潮した一方、K-POPは世界的なヒットカルチャーになった。また「米国の経済植民地になる」との反対論があった韓米FTAの場合、発効1年目の2012年は韓国の対米貿易黒字が152億ドル(現在のレートで約1兆8000億円、以下同じ)だったが、昨年は250億ドル(約3兆円)に膨らんだ開放や危機に直面するたびに一層強くなる韓国人のDNAは、日本とのFTAというチャレンジにおいても自らを革新し、強く変わっていく力の源になるだろう

 韓日FTAには、世界最高レベルの日本の部品・素材業、サービス業との全面的な交流拡大による技術やノウハウの習得、これによる競争力の向上、そして日本の対韓投資活性化といったプラスアルファのメリットもある向こう10年間で9000兆ウォン(約903兆円)台と見込まれるアジアのインフラ市場に韓国の技術力と日本の資本(金融)がタッグを組んで進出すれば、国富増進と雇用創出が期待できる

安全保障面や経済面で米国・日本との結びつきを強める国際政治的な効果もある。特に韓国が日本とのFTAを先に提案、推進すれば、韓国により有利な方向に交渉を持っていくこともできるだろう韓日FTAは中国に対する過度な経済依存度を低下させ、韓中日の3カ国関係における韓国の地位と価値を引き上げることにもつながる

韓国経済における雇用問題は、大手グループがそれぞれ500-1000人ずつ年間採用人数を増やしたり、青年希望ファンドを設立したりするだけでは解決が難しい韓日FTAに果敢に挑み、成長の足掛かりを築かねばならない。そのためにはまず韓国人が抱える「日本と勝負して勝てるわけがない」という「経済恐日症」を払拭(ふっしょく)すべきだ

参考 朝鮮日報 2015.10.04

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