韓国財閥・企業→総崩れ

韓国を代表する財閥企業の業績に「赤信号」が点灯したサムスン電子や現代(ヒュンダイ)自動車、LG電子、ポスコの4~6月期の業績予想を引き下げる市場関係者が相次いでいるのだ為替のウォン高や輸出先である中国の景気減速に加え、中東呼吸器症候群(MERS)感染による内需の不振がのしかかり韓国経済を悲観ムードが覆っている

韓国メディアは、サムスン電子の4~6月期の業績が従来見通しより悪化すると予測した同国の証券会社の分析を相次いで報じた

それによると、韓国投資証券はサムスンの営業利益の推定値を当初の7兆7170億ウォン(約8600億円)から7兆460億ウォン(約7860億円)へ約9%下方修正。同証券の研究員は「ギャラクシーS6を含むスマートフォンの出荷台数が期待に及ばないうえ、ネットワーク機器とパソコン事業も不振」などと指摘、半導体部門を除くすべての事業部門の業績が当初予想を下回ると分析した

NH投資証券もサムスンの営業利益推定値を当初の7兆3020億ウォンから7兆70億ウォンに、IBK投資証券も当初の7兆2300億ウォンから7兆300億ウォンとするなど、そろって業績の予測を引き下げた。

サムスンは例年、4~6月期業績の速報値を7月上旬に公表する。同社の業績はスマホの不振などで大幅減益が続いていたが、当初は4~6月期に8兆ウォンを超える営業利益を上げて前年同期の7兆2000億ウォンから増益に転じるとの期待がもたれていた

ところが、証券会社による予想は日を追うごとに下方修正され、最近では平均値が約7兆2500億ウォンと前年同期とほぼ横ばいの水準にまで落ち込んだ

証券会社の業績推定値の引き下げについて、韓国メディアのソウル経済は、「スマートフォンの販売不振が直接の原因」と報じたが、韓国経済全体を覆っているのがMERSの感染問題だ。

消費を大きく減らし、国内総生産(GDP)を引き下げるとみられるMERSだが、これについてはサムスンも無関係ではないグループ傘下のサムスンソウル病院のずさんな初期対応が院内感染を拡大させたためだ

昨年急性心筋梗塞で倒れ同病院に入院中のグループ総帥、李健煕(イ・ゴンヒ)サムスン電子会長の長男、李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長は、「国民にあまりに大きな苦痛を与えた」と謝罪した

厳しいのはサムスンだけではない。東亜日報は「輸出の不振にMERS感染が重なり、企業の業績に『赤信号』が点灯している」と報じた

韓国の金融情報会社のまとめによると、現代自動車の4~6月期の営業利益の推測値は約1兆8700億ウォンで、5月時点から約4%引き下げられた同社の昨年4~6月期の営業利益は2兆872億ウォンだったから、推測値どおりなら約10%の減益となる

電機大手のLG電子も昨年4~6月期に6062億ウォンの営業利益を計上していたが、今年4~6月期は4200億ウォン台にとどまり、前年同期比約30%の大幅減益になると予想されている

主力のテレビ事業で需要低迷が継続しているうえ、為替のウォン高で採算が悪化したとみられる。株価も下落続きで、約10年ぶりの安値水準となった。

 鉄鋼大手のポスコも、主要な輸出先である中国の景気減速が響き、4~6月期の営業利益の推測値は7600億ウォン台と、前年同期の8391億ウォンから減益になるという予想だ

輸出産業にも悪影響を与えているMERSだが、内需企業への打撃はさらに深刻となりそうだ

週刊東洋経済元編集長の勝又壽良氏はこう指摘する。

「韓国の財閥経営は、生産性が上がらないなかで人件費だけが上昇しており、完全に時代遅れになっている製造業はウォン高で日本企業との競争力を失い、大きな痛手を受けているが、MERSによって非製造業にも影響が出ると“両翼のエンジン”が不調という最悪の事態になる

参考 夕刊フジ 2015.06.27

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