韓国財閥→円安・中国減速で暗雲

2015年の新年のあいさつから垣間見える、韓国10大企業グループの情勢認識だ。最近の国内外の経済状況を反映したかのように、「円安」「デフレ」「低成長」「原油価格下落」などの言葉も登場した

2014年の新年のあいさつでよく出てきた「回復」という単語は姿を消した最高経営者が国内外の経済状況を不安に考えている証拠だ
■ 昨年はなかった「厳しい」が頻繁に登場

今年の新年のあいさつでよく登場した単語は「グローバル」「世界」「海外」で、30回も使われている。次に「危機」「リスク」「沈滞」「不況」で29回。毎年必ず出てくる「顧客」「顧客価値」は27回だった。

昨年はあまり使われなかった「厳しい」は25回で、4番目に多く使われた単語となった。韓国企業の収益性が徐々に悪化していることを心配しているかのように、「収益」「成果」(22回)を強調したグループ代表が多かったことも、今年の特徴だ。「経営環境」「経営条件」「経済環境」(21回)という単語の前後には「厳しい」「楽ではない」「~は厳しいが」という単語が付く。「備え」「対応」「克服」(19回)もよく登場した。

企業の新年のあいさつには、国内外の経済・経営環境に対する最高経営者の認識と企業の方向性が込められる。この点で、今年の新年のあいさつは2010年から見ると最も緊張感を帯びた内容だった

全般的に、突然回復した後に景気が落ち込んだ2012~13年ごろと似ているが、出てきた単語だけを見ると深刻さはよりはっきりしている。「不確実」「不安定」「急激」「急変」などがよく使われた。「努力」が16回登場したことも目に付く

 「厳しいが打ち勝とう」という最高経営者の覚悟と、社員への要請が見える単語も多い。「新たな」(21回)、「発展」「反映」「飛躍」(17回)、「挑戦」(12回)、「未来」(12回)、「創意」「創造」(10回)、「変化」「変革」(9回)などもよく使われている。構造改革、創造経済など政府が打ち出したスローガンはほとんど見られなかった。

10大グループの代表や最高経営者は、最近の経済状況を次のように見ている現代自動車グループの鄭夢九(チョン・モング)会長は「世界経済は低成長が続き、新興国を中心に政治的不確実性が増している

LGグループの具本茂(グ・ボンム)会長は、「為替レートと原油価格が不安定な動きを示しており、これは輸出の割合が高い韓国に相当な難関となっている」と指摘、「後発企業の激しい追い上げや日本と中国の動向などを見ると、数年以内に厳しい状況になることもありうる」と見ている

■ 円安、原油価格低下もリスクに

SK SUPEX協議会議長の金昌根(キム・チャングン)氏は「今年の国内外の経営環境は不確実性がさらに高まる。新興国の経済リスクの増大や中国経済の成長鈍化、欧州経済のデフレや長期沈滞、原油価格下落の長期化が予想される」と述べた。POSCOの権五俊(クォン・オジュン)会長は「内需の不振と中国の成長鈍化、円安傾向などで韓国経済の突破口を探すのは簡単ではない」と言う

危機からの突破方法も提示している。鄭会長は820万台の生産・販売目標を掲げ、研究開発への投資と研究人材の確保、グローバル生産・販売体制の効率性を高めることを訴えたGSグループの許昌秀(ホ・チャンス)会長はGSの事業構造とポートフォリオをより高度化させ、領域を広げるなど、質的な側面の成長が最も望まれている」と述べた。

今年の新年のあいさつでは、経営の質と収益性を強調する代表・最高経営者も多かったロッテグループの辛格浩(シン・ギョクホ)総括会長は不確実な国内外の経済状況の中で、単純に売り上げだけを伸ばしたり短期的な収益を負うことは毒になりうる。今年はさらに経営の質を高めることに注力してほしい」と述べているPOSCOの権会長は核心的なキーワードは財務的成果の創出」と延べ、5つの方向性を示してもいる

 時代を反映してか、企業文化と社会貢献に言及したグループも多かった。LGの具会長は「熱意ある議論のない一方的なコミュニケーションと、顧客価値に合わなくても指示に順応する文化では、差別化された価値を創り上げることはできない」と強調している

現代重工業の権五甲(クォン・オガプ)会長は「直面する危機を数字だけで見るのではなく、われわれ社員の精神、組織、制度、意志決定過程、企業文化などあらゆる側面からその原因を探してみよう」と述べたSKの金昌根議長は社会的企業、創造経済の革新センターのような革新で創意的な方法で国家や社会とともにするSKになるようにしよう」と訴えた

■ 大韓航空会長のあいさつは「謝罪文」

グループ内の問題に触れた新年のあいさつも目を引く。ロッテの辛格浩総括会長は第2ロッテワールドで相次ぐ事件・事故を意識したのか、「不吉な出来事で国民と顧客に迷惑を掛けた。ロッテワールドタワーに関連する機関と国民から信頼される本当のランドマークになるようにすべての努力を傾けてほしい」と注文した。

現代重工業の権会長は「(2014年は)現代重工業の家族の自尊心が大きく傷ついた1年だった」とし、「心を合わせて」「協力」という言葉を3回も使って訴えた。昨年の収益悪化で発生した労使紛争を念頭に置いた発言だ

ハンファグループの金升淵(キム・スンヨン)会長はサムスングループの防衛産業・化学関連企業4社を買収したことについて、「以前からグループの成長のためにハイブリッド文化の重要性を強調してきた。新しい家族となる8000人の社員は千軍万馬のような存在」と持ち上げた

一方、現在最も話題となっている大韓航空を中心とする韓進グループの趙亮鎬(チョ・ヤンホ)会長はきょう、今朝、明るく希望に満ちた思いよりも、峻厳な反省と自省の言葉から伝えなければならず、申し訳なく思う」と延べた。謝罪文と言えるほどの新年の辞だった

参考 東洋経済オンライン 2015.01.16

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