震災5年→津波避難タワー販売

新日鉄住金傘下で建設用鋼管(パイプ)などを手がける日鉄住金建材(東京都江東区)が津波発生時の避難場所として活用できるタワーの販売を伸ばしている仙台港に隣接する仙台製造所(仙台市宮城野区)が、東日本大震災で津波被害を受けた経験を元に開発した

「東日本大震災レベルの大津波にも対応できる」

仙台製造所の阿部研仁所長は、事務棟の隣にある3階建ての避難タワーを見上げながら胸を張った。

セーフガードタワー」と名づけられた避難タワーは高さ11メートル。3階と屋上で計200人を収容できる同製造所で製造したパイプで強度を高め、1階部分に壁がなく、波が通り抜けやすいなど設計も工夫した

 震災の1年後に建設。避難場所として水や食糧を常備しているほか、ショールームとしても活用し、これまで国内外からのべ2千人が見学に来た。外販も始め、静岡県袋井市など20カ所に納めている

震災当日、仙台製造所で働いていた76人の社員は、協力会社の社員や近隣住民と敷地内にある高さ5メートルの築山へ避難。約1時間後に襲来した津波は2メートル下まで迫り、設備は約60億円の損害を出すほどの被害を受けたが、外出していた工場長以外は生き延びることができたという。

仙台製造所は、平成24年5月には早くも全面復旧した。その後、2本の製造ラインを追加し、従業員は約100人に増えた。もともと仮設住宅用のパイプを手がけていた上に、避難タワーの商品化で防災分野のラインアップも広がった。

避難タワーの主要顧客である自治体は財政が苦しい状況にある中、阿部所長は「防災に役立つ商品を提案していくのは被災企業の責務」と述べ、販売拡大に意欲をみせる

産経新聞 2016.03.12
  images-3-48-150x150images

【関連する記事】