長風呂でカサカサに?

暖かくなって薄着になる季節、お風呂でお肌のケアを行う方も多いのではないでしょうか。しかし、お肌のために……と思って行っている入浴法も、間違った方法では逆効果になることがあります。お肌に良い正しいお風呂の入り方をご紹介しましょう。

■美肌のためにお風呂に1時間?
休みの日にはお肌のために、しっかりお風呂入ることにしているの」と言って1時間以上お風呂に浸かっている知り合いの女性がいます。「肌へのうるおいのため」とのことで、スマホをはじめ様々な防水グッズを浴室に持ちこんで長い時間入浴をするのです。このように、美容に熱心な女性が美肌のために長風呂をする話を時々耳にしますが、 実際に医学的にはどのような影響があるのでしょうか?

■美肌のためには長風呂はNG
実は、美肌のためには長風呂はNGです。その理由は皮膚の構造と保湿成分セラミドにあります皮膚は表皮と真皮の2層になっていて、その薄さはわずか2mmです特に表皮の一番表面の角層と言われる部分はわずか0.02mmですが、角質細胞が何重にも積み重なっている構造になっていて、セラミドなどの「角質細胞間脂質」がその隙間を埋めていますこの角層がバリアとなって、体の外の有害な物質が体の中に入り込まないようになっています。また、この角層は20~30%程度の水分を含んでいますが、これはセラミドが保湿成分として働いているためです

長風呂をすると、皮膚表面の皮脂やこのセラミドが流失するのです皮脂やセラミドが流失すると、角層が水を保つことができなくなり、さらには肌の内部の水分まで失うこととなります結果として、うるおい肌どころか、逆に乾燥肌になってしまう可能性があります「お肌のために」と頑張っていた長風呂が、その思いとはうらはらに肌にダメージを与えていたということにもなりかねません

■お風呂でのうるおいもすぐ逆戻り?
お風呂上がりには、適切なケアをしないと皮膚の水分量が入浴前よりも減る、という研究結果がありますもちろん、入浴直後は皮膚水分量がぐっと増え、しっとりした感じになるのですが、それは一時的な変化で、10分もすると入浴前と同じレベルまで戻ります。さらに入浴後30分もすると入浴前よりも水分量が少なくなるのです肌のうるおいのために、ということで行っていた入浴も、うるおうのは入浴直後の一時的なものということです

■本当の「お肌に優しい入浴法」とは?
以上のようなことを考えると、お肌に優しい入浴法としては、

・38~40℃
・長くても15分程度

で上がることをお勧めしています。

もっと熱いお湯を好まれる方もいるかもしれませんが、それはお勧めできません。42℃以上の熱い湯では、ヒスタミンというかゆみの原因物質ができたり、皮膚のバリア構造に変化をきたし、肌に悪い影響を与える可能性があるからです

保湿成分を含む入浴剤を用いることも対策の1つです。このような入浴剤を使うことで入浴後の皮膚水分量の減少を抑えることができるという研究があります。

また、お風呂上がりはセラミドなどの保湿成分を含む美容液で素早くケアすることも大切ですお風呂を出て10分で皮膚水分量が入浴前に戻るのですから、うるおいを保つ意味では10分以内にケアするのが1つの目安になります

お風呂には肌の汚れをおとし、血流を良くするなど、メリットもいっぱいありますが、過ぎたるは及ばざるがごとし、です。何事もやりすぎは禁物ですね。お肌に優しい適度な正しい入浴を心掛けましょう。

文・早坂 信哉(All About 疲労回復法)

All About  2016.03.14

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