長距離トラック16時間超え4割

 国交省が昨年9月、全国の運送事業者1252社と運転手5029人に1週間分の運行実態を記入してもらいまとめた。

500キロ以下の中短距離運行では拘束時間が13~16時間だったのは23%、16時間超は5%にとどまったが、500キロ超の長距離ではそれぞれ37%43%に増えた特に大型トラックで基準を上回った率が高かった。平均拘束時間は中短距離では11時間24分、長距離では16時間43分だった

運行と運行の間の休息時間が8時間未満しかないケースも全体で16%あり、特に大型トラックは20%と高かった。休憩をはさまず連続4時間超運転した運行も、長距離では33%あった。

長時間労働の背景にあるのは、厳しい価格環境や運転手不足だ。調査でも、69%の事業者が「運転手が不足している」と答えた。このため「運転手不足で輸送を断ることがある」事業者が48%あり、「適正運賃の受け取りが必要」と答えた事業者は85%に達した

この結果を受け、国交省は業界環境の改善を目指して2016年度に実証実験を行う。複数の事業者がばらばらに運んでいた荷物を1事業者がまとめて運送する▽高速道路の使用で時間短縮が実現する場合、高速料金を荷主に請求する▽配送所でのムダな待ち時間を減らすため、荷降ろし時間帯を分散化させる--などを想定していて、今後内容を詰める実験のための荷主と運送事業者は、セットで募集する

実験で分かった効果的な事例はガイドラインとしてまとめ、全国に広げる方針。運転手の疲労を減らし、交通事故の減少にもつなげたい考えだ

【キーワード】トラック運転手の拘束時間

トラック運転手の労働環境改善のため、厚生労働省が大臣告示で「基準」を定めている。運転のほか荷物の積み下ろし、休憩、点検などを含む始業から終業までの時間。1日あたりの拘束時間は原則13時間以下で、16時間まで延長することができる。ただ、15時間を超える運行は週2回までに限る

連続して運転できるのは4時間までで、4時間につき30分の休憩が必要。また、運行と運行の間には8時間以上の休息時間をおく。1カ月あたりの運行時間は原則として293時間で、会社と労働組合が協定を結べば320時間まで延長できる。バス運転手も1日当たりの拘束時間などはトラックと同様。刑事罰はないが、国土交通省が事業停止などの行政処分を科す場合がある。

毎日新聞  2016.03.02

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