鍋人気で鶏卵が高騰→沖縄

ことしに入り、県内の卵の市場価格(Mサイズ・1キロ当たり)が例年に比べて高騰している1月末に強い寒気が流れ込んだ影響で鍋料理やおでんの人気が続き、具材となる卵の需要が増えたことなどから価格が上昇した。ことし2月の平均取引価格は前年同月比20円高で推移。3月(14日時点)も24円高く、県内小売店の店頭価格にも影響している一方、円安による飼料価格の高止まりも続き、生産現場は手放しに喜べない状況だ。(政経部・新垣卓也)

卵価格の指標となるMサイズの県内平均取引価格は、ことし2月で前年同月比約9・8%増の225円、3月(14日時点)は11%増の244円
沖縄の鶏卵農家は配合飼料を県外から調達するため、生産コストの6割以上を占める飼料費が高くつく。そのため、県内で鶏卵の市場取引を担うJAおきなわは、需給の動向と福岡の相場を参考に価格を決定。福岡相場に平均10円程度上乗せしている
JAおきなわ畜産部によると、例年12月はクリスマスや年末年始の需要で価格は上がり、年が明けた1~2月は消費が鈍って在庫が増え、価格は下がる傾向にある。
しかし、ことし1月末~2月は「県内でみぞれを観測するなど寒さが例年よりずれ込み、鍋やおでんなどでの消費が増えた」(JA担当者)ため、高値で推移している
県内の卵自給率は85%程度。足りない分は九州の産地から仕入れるが、「1~2月の寒波で九州の生産量も減り、価格上昇に拍車が掛かった」という
県内小売店の店頭価格も「2~3月は昨年比で5%以上高くなっている」(サンエー)、「日々の相場にも左右されるが1割ほど高い状況」(イオン琉球)。
卵卸業の前田鶏卵(那覇市)の前田睦己社長は「2月はプロ球団やサッカーチームの県内キャンプがあり、観光需要も伸びたのではないか」とみる
今後の市況について、JAの担当者は「九州の生産量も回復基調にある。3月後半~4月には価格が少し下がるだろう」と見通す
一方、生産現場は依然厳しい環境にある。養鶏業の見奈須フーズ(南城市)の宮城哲治代表は、円安で飼料の高止まりが続いているため「県内の養鶏農家はまだまだ苦しい状況だ」と話し、「(価格上昇に)もろ手を挙げて喜べない」と強調した

沖縄タイムス 2016.03.15

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