鉄道受注→日立、英国で快進撃

日立製作所は鉄道の発祥地である英国を足がかりに、世界展開を急速に進めている世界の鉄道業界は「ビッグ3」と呼ばれる独シーメンス、仏アルストム、カナダ・ボンバルディアの世界大手3社に加え、規模では3社を上回る中国国有大手「中国中車」も海外進出を進めつつある

日立は90年以上かけて培った日本流のもの作り技術を武器に、世界のライバルを猛追する構えだ

日立は2004年にロンドンと英仏海峡トンネルを結ぶ高速鉄道174両を受注した。この際、納期を前倒しして半年も早い営業運転開始を実現させ、「納品遅れは日常茶飯事」とされてきた英国の鉄道業界関係者を驚かせたその実績を足がかりに12~13年にはロンドンと北部、南西部を結ぶ都市間高速鉄道計画(IEP)で866両の大量受注に成功14年には英北部スコットランドで通勤電車にも受注を広げ、英国での快進撃が続いている

14年4月に鉄道事業のグローバル本社を英国に移転し英国人のアリステア・ドーマー氏を新設のグローバルCEO(最高経営責任者)に据えた。さらに15年2月、イタリアの重電大手フィンメカニカから鉄道関連2社を買収することで合意世界展開の態勢を着々と整えている

15年9月には90年を超える日立鉄道事業の歴史で初の海外車両工場「ニュートンエイクリフ工場」を英中部ダラム州に開設した11月に生産を開始した同工場は現在、フル生産に向けた移行期間にあり、17年開業予定のIEP「英国製」車両が少しずつ姿を現しつつある工場の設計と生産の責任者である与野正樹統括製造部長は、「工場設計にあたってマザー工場である山口県・笠戸事業所を研究して徹底的な改善を施した長年の技術者の願望をほとんど実現させた」と満足そうに語る

英工場の現場スタッフ約500人のほとんどは新規雇用者だが、笠戸で研修した英国人30人と日本人出向者が現場指導者となり掃除やネジ締めなどの基礎から安全・品質管理を徹底する「日本流もの作り」を定着させていく考えだ

日立製作所の鉄道事業の事業規模はイタリア2社を合わせても約4000億円で、売上高8000億円超のシーメンスなど「ビッグ3」の半分程度にとどまる中西宏明会長兼CEOは、ビッグ3に規模で追いつくことが「当然の目標」と断言する。「イタリア2社を統合していくことで、市場は一気に広がる。(事業規模を)まず6000億円にする

早く1兆円に届かせたい」と意気込みを見せている。【ロンドン坂井隆之】

参考 毎日新聞 2016.01.02

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