野菜ジュースだけで解消できるのか?

普段、何気なく購入して飲んでいる野菜ジュース。近頃は、グリーンスムージーにジュースクレンズと、自宅で自作するまでに進化している。姿形を変えつつも、この野菜ジュースが未だに廃れない理由はどこにあるのだろうか?

また、国内の野菜摂取不足が課題となっている中、忙しいビジネスパーソンは、野菜ジュースとどのように付き合っていくことができるのだろうか。栄養士のアドバイスと共に、野菜ジュースの活用法に迫ってみたい。

■野菜ジュースはなぜ流行するのか

今年の春にカゴメが、アパレルブランドである「ジャーナル スタンダード」が手掛けるパンケーキカフェで、野菜ジュースを使ったオリジナルスムージーを展開した。近年のグリーンスムージーブームに乗った試みであるようだ

また、昨年からジュースクレンズダイエットが盛り上がった。コールドプレス製法という、野菜や果物などを低速回転で圧力をかけ、栄養素や酵素を壊さずにジュースにする方法で作られたジュースを食事と置き換えて飲むことで、デトックスや美容効果を狙ったものである

これ以前には、スムージーなど、野菜ジュースブームは形を変えて続いている。そもそも、なぜ野菜ジュースは流行するのだろうか? 野菜ジュースの始まりは、カゴメの野菜飲料の歴史に限っていえば1933年に発売されたトマトジュースが始まりだったという。その後、1970年代にトマトミックスジュースとしての野菜ジュースが発売され、1995年に現在も残る「野菜生活」が発売された。今、野菜ジュースといえばカゴメと伊藤園の商品が主流になっている

そんな40~50年ほどの歴史ある野菜ジュースだが、市販品、家庭でのジューサーやミキサーを用いた調理共に、未だに人々に飲まれ続けている不思議な飲み物といえる。その流行が途絶えない背景は、JC総研が2014年に実施した、「野菜・果物の消費行動に関する調査」結果からも知ることができる。調査を行った男女2097名のうち、「野菜不足を感じている」という人の割合が「不足気味」の人を含めて約半数を超えていたのだ。また、野菜不足の解消方法として、「市販の野菜ジュース等を飲むようにしたい」と答えた人の割合は20.3%だった、野菜ジュースはやはり、野菜不足の解消ニーズにピッタリくる飲み物のようである

野菜ジュースでは野菜不足は解消できない?

厚生労働省は一日の推奨野菜摂取量を350gと設定しているが、2012年の統計によれば国民の平均野菜摂取量は286.5gだった。まだまだ基準に満たない現状、野菜不足は自分からもっと積極的に解消していく必要がある

マイボイスコムが2015年に行った男女11776名に対する「野菜ジュースの利用」についての調査によれば、野菜ジュースの購入理由で最も多かったのは「野菜不足を補うため」だった。次いで、「おいしい」「手軽に栄養素を摂取できる」「なんとなく体によさそう」「一度に多種類の野菜・果物が摂取できる(効率がよい)」などが続いた。このように、消費者は「野菜ジュースさえ飲んでいれば、野菜不足にはならないだろう」と野菜ジュースに対して、“野菜不足解消”の期待を大きく寄せていることが分かる

 しかし、一般社団法人健康栄養支援センター代表理事で栄養士の諏訪淳子さんによれば、野菜ジュースで野菜不足を解消するには、少々懸念点があるという

「野菜を摂る上で重視したい栄養素には、ビタミンCと食物繊維があります市販の野菜ジュースは加熱されていたり、濃縮されていたりするため、生野菜に含まれるビタミンCの多くは失われています

また、野菜の水分を濃縮して作られている場合が多く、食物繊維がほぼ除かれているものが多くみられます。そのため、本来野菜から摂りたい食物繊維量は非常に少ないといえます。最近は、自宅でスムージーやコールドプレスジュースを作る方が増えていますね。この場合は、生で食物繊維ごと摂る場合も多いので、野菜から摂りたい栄養素は比較的摂りやすくなるでしょう

野菜ジュースで野菜不足を完全に解消することは、なかなかむずかしいところがあるようだ

■ビジネスパーソンが野菜ジュースと上手に付き合うためには?

では、忙しくあまり食事に気を遣う時間のないビジネスパーソンは、野菜ジュースとどのように付き合っていくのがいいのだろうか? 諏訪さんは次のことを教えてくれた。

「野菜を“食べる”ということは“噛む”ことです咀嚼の効果は、脳の活性化や消化液の分泌など、体にとって有益なことが多く、また満腹中枢が働いて食べ過ぎを防ぐなどの効果もあります。ジュースにしてしまうとそれらの効果を得られにくくなりますので、まずはしっかりとバランスの良い、野菜たっぷりの食事を摂り、野菜ジュースは補助として利用するようにしてください野菜ジュースに頼りすぎない食生活を送ることが大切です。どうしても野菜を食べる機会がない場合や、野菜嫌い、体調不良などの場合には、上手く野菜ジュースを利用されると良いでしょう」

グリーンスムージーやコールドプレスジュースなどは、栄養面で期待できるが、生の野菜を搾って飲むのは少々手間で、さらに保存が効きづらいという難点がある。その点、市販の野菜ジュースは職場にも持っていきやすく、手軽に摂取できるところがメリットといえるまずは生の野菜を食べる食習慣をベースにし、野菜ジュースは補助的に活用しよう

参考 @DIME編集部 2015.10.09

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