赤ちゃんの前頭部がブヨブヨしている!

育児をするうえでのトラブルや疑問に答える本シリーズ。今回の質問者は、生後3か月の赤ちゃんのお母さん。「赤ちゃんの頭にブヨブヨしている箇所があるのはなぜ?」という問い合わせです確かに、乳幼児は前頭部の中央、髪の生え際より少し上のところを触ると、まるで骨がないかのようにブヨブヨしていますね初めて子供を持ったお母さん・お父さんの中にはこのことを知ってビックリする人もいるようです。もちろん、これはすべての赤ちゃんにあるもので、れっきとした理由があります

◆産道を通りやすくするための構造

この前頭部の柔らかい部分は医学用語で「大泉門」(だいせんもん)と呼ばれる、菱形をした頭蓋骨のすき間です。さらにこの後ろにもすき間があり、こちらは「小泉門」(しょうせんもん)と呼ばれます。どうしてこのようなすき間があるかというと、出生の際に狭い産道を通るためです。お産時はこのすき間が閉じることで頭のサイズが少し小さくなり、産道を通りやすくなるのです

◆頭を速く成長させるためでもある

生まれた後はこのすき間が開きますこの部分は頭蓋骨で覆われていないため、たいへん柔らかく、触るとブヨブヨした感触なのです。また、このすき間は出産時だけでなく、生まれてからの頭部の成長にも関係しています。人間の脳は、生まれてから著しい速さで成長を遂げます。それに合わせて、容れ物となる頭蓋骨も短期間に大きくなる必要があります赤ちゃんの頭蓋骨は5枚の骨で構成されており、そのつなぎ目部分に大泉門や小泉門を含め合計6つのすき間(泉門)がありますすき間があることで容積が大きくなりやすいため、これほど速い成長が可能なのです

◆泉門はいつ閉じる?

赤ちゃんの成長に伴い、泉門は閉じていきます小泉門は生後1か月を過ぎる頃には閉じてきます。大泉門は逆に、生後9~10か月くらいまでは広がり、その後は縮小して閉じます。生後16か月ごろになると、触ってもわからなくなります完全に閉じるのは2歳を過ぎる頃だと言われています

◆大泉門に現れるさまざまな疾患の可能性

大泉門が膨らんでいたら、水頭症、脳腫瘍、髄膜炎、脳炎などの可能性があります。もし大泉門が不自然に膨らんでいると感じたら、速やかに小児科を受診しましょう。水頭症とは、頭のサイズが正常範囲よりも大きい状態で、大泉門の皮膚が張って外に張り出している状態になります。他の症状としては、寝てばかりいる、両目の瞳が急に下に引っ張られるように下がる、などがあります髄膜炎や脳炎は、頭蓋骨と脳の間にある髄膜にウィルスや細菌が入ってしまった病気です症状は発熱、首の後ろの硬直、意識障害、けいれんなどです。反対に大泉門が陥没している場合は、脱水症や栄養障害の可能性があると言われています。ただし、自己判断はせずに医師に診断してもらいましょう。問題ない場合もありますし、どの程度の陥没が異常なのかは、医師でなければ判断できません。

骨がないことから大泉門に触れることを過剰に怖がるお母さんがいますが、普通になでさする程度は問題ありません。お風呂で頭を洗う際は、手のひらでやさしく洗ってください。ただし、指を立てて押さないように。また、この部分に脂漏性湿疹が生じ、かさぶたが髪に付くことがあります。その場合、オイルを頭皮につけて、しばらく置いてからクシでとかしてくださいと医師に指導を受けるかもしれません。その時は、赤ちゃん用のクシを横に寝かせて、髪をすくようにして髪についたカサブタを取ります。くれぐれも、クシを立てて地肌をひっかくようなことはやめてくださいね。

参考 mocosuku woman 2015.06.10

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