資源国通貨→総崩れ

国際原油価格が夏場以降5割近く急落する中で、資源輸出に依存する新興国の通貨が急落している

ロシア・ルーブルの価値は年初以来、対ドルでほぼ半減南米、アフリカでも今年の通貨下落率が2ケタに達する資源国が続出するなど、「逆オイルショック」とも言える様相だ

ロシア中央銀行は16日、通貨防衛のため政策金利を10.5%から17%に大幅に引き上げたが、金融引き締めは経済をさらに冷え込ませるリスクをはらむ。高成長を続けてきた資源国経済の動揺は、世界経済にとっても懸念要因になってきた。

ロシア中銀は12日に金利を1%上げたばかりだが、ルーブル安に歯止めがかからず、異例の大幅利上げに踏み切った

南米ブラジルも、通貨レアルが年初来12%下落する中でインフレ圧力に苦しんでおり、今月3日に2会合連続の利上げを実施した。

同国はコストの高い海底油田を多く抱える上、資源安が鉄鉱石などにも波及したあおりを受けており、経済の不振から抜け出せない状況だ

外国為替市場では、メキシコ・ペソやナイジェリア・ナイラなど産油国の通貨への売り注文も加速し、先進国でもノルウェー・クローネやオーストラリア・ドルも売られるなど、資源国通貨が総崩れの展開になっている

原油市場では、日中欧の景気減速による需要低迷に加え、米国の新型石油「シェールオイル」の増産や、中東産油国などで作る石油輸出国機構(OPEC)が11月下旬に減産を見送ったことで、供給過剰が強く意識されている。15日のニューヨーク市場で原油の指標となる米国産標準油種(WTI)は一時1バレル=55ドルと約5年7カ月ぶりの安値を記録。北海ブレントも5年4カ月ぶりに60ドルを割り込んだ。

資源輸出で稼ぐ新興国は、南米ベネズエラが北海ブレント1バレル=約120ドル、ロシアが同100ドルを前提に予算を組むなど、資源価格の下落が政府財政や国内経済を直撃する構造を抱える

潤沢な準備基金を持つサウジアラビアなどの富裕な湾岸産油国は原油安への耐性があるが、チャベス前政権時代からばらまき政策を続けてきたベネズエラなどは通貨売りが起きやすい

ベネズエラは外貨準備の不足から輸入制限を実施するなど国民生活の混乱に拍車がかかっており、1ドル=6.3ボリバルに固定した為替レートも大幅切り下げを迫られそうな状況だ

現時点で資源価格安は、原油輸入国である日米欧経済を押し上げるため「世界経済にプラス」との見方が優勢だが、15~16日の日米欧の株価が下落するなど、資源国経済の不安定化は今後も大きな重しとなりそうだ

参考 毎日新聞 2014.12.16

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