豪→仏が潜水艦受注

オーストラリアのターンブル首相は26日、同国が2030年代初めに運用を開始する次世代潜水艦(通常動力型)について、フランスと共同開発すると発表した。海上自衛隊の「そうりゅう」型をベースにした案を官民で売り込んでいた日本は敗れた

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日本は高い技術力を持つ半面、武器の輸出・共同開発の経験に乏しいことが不安視されたとみられる

オーストラリアは今後、500億豪ドル(約4兆円)以上をかけて現有6隻の潜水艦を順次更新し、新型艦12隻を建造する海洋進出を強める中国をけん制する狙いがある。日独仏3カ国が共同開発の相手に名乗りを上げていた。

日本は長年「武器輸出三原則」で武器輸出を事実上禁止してきたが、14年に制度を見直した。その後、政府の国家安全保障会議(NSC)が豪州への潜水艦技術提供を承認した。受注すれば過去最大規模の軍事技術提供となり、政府やメーカーの三菱重工が、独仏と激しい受注競争を展開していた。

日本は通常動力型の潜水艦としては世界最高水準の性能と技術をアピール。「準同盟国」とも位置づける豪州との安全保障関係を強化する狙いもあった

ただ、日本は経験不足に加え、技術移転や生産拠点を豪州へ移すことにも独仏に比べて慎重で、地元からは軍事産業や雇用の維持を不安視する声が上がっていた

さらに昨年9月、安倍晋三首相と関係が深く、日本案採用に積極的だったアボット首相(当時)が与党内の政変で降板したこともマイナスに作用した

米政府は日米豪の同盟関係を強化し、軍事力を伸ばす中国に対抗する観点から、水面下で日本案の採択を働きかけていたとみられる。ただ、豪国内では「経済や貿易で依存度が高い中国との関係が必要以上に悪化する」と、日本案採用のリスクを指摘する意見も多く、世論が割れていた

終更新:4月26日(火)11時38分

毎日新聞2016.04.26

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