謝罪しない朴大統領

朴槿恵(パク・クンヘ)大統領の影の実力者」とされるチョン・ユンフェ氏(59)の国政への介入疑惑と関連する大統領府の内部文書が外部に流出した問題で、朴大統領は1日、大統領府での会議で自らの考えを初めて明かした

朴大統領はまず「文書を外部に流出させたことにいかなる意図があるのか分からないが、決してあってはならない国の綱紀を乱す行為だ」と指摘した。また文書の内容を報じたメディアに対しては「少し確認すれば、それが事実かどうかすぐに分かるはずだ。ところが関係者に確認もせず、秘線(秘密裏に接触する人物)だとか影の実力者などと報じ、何か疑惑があるかのようにあおり立てること自体が問題だ」とも発言した。

朴大統領は検察は徹底した捜査を行い、明々白々に実態と真実を明らかにしてほしい」とした上で「誰でも不適切な行動が確認された場合、その地位に関係なく一罰百戒で対応する」とも述べた。

しかし問題の文書の内容については「このように話にもならない話が国民を戸惑わせるようなことがないように願う」と語っただけだった。

朴大統領は「(就任から2年近く)枕を高くして眠ったことがない」と自らが政権運営に力を尽くしてきたことにも言及し「一連の出来事は、国政に最善を尽くしている秘書室長や首席たちと政府の力を奪うものだ」とも指摘した。権力の内紛とも取られかねない今回の問題について、非常に苦々しく思っていることを伝えたかったようだ

朴大統領の言葉通り、今回は「あり得ないこと」が起こっただけに、問題の解決には事実関係を速やかに解明することが何よりも重要だ

しかし大統領による今回の一連の発言は、優先順位に問題があると言わざるを得ない今国民が最も知りたがっているのは、文書で指摘されていたようにチョン・ユンフェ氏が国政を壟断(ろうだん)したとする疑惑が果たしてどこまで事実なのかということだ

ちまたでは、チョン氏についてのさまざまな疑惑が事実であるかのように語られてきた。また文書の作成と流出に至る過程で、権力の中枢部で何か暗闘のようなものがあったかどうかも明らかにしなければならない。
大統領はこの日、今回の問題で衝撃を受けた国民には一言の謝罪もなく、主に文書の流出とメディアの報道ばかりを問題視した。何者かが政争に悪用するため大統領府の公式文書を違法に流出させたのであれば、大統領の言葉通り「国の綱紀を乱す行為」だ。しかし大統領がこのことだけを問題視し、秘戦問題については「話にならない話」などと最初から取り合わないのであれば、今後出てくる検察の捜査結果を自ら損なうことになるのではないか

問題の文書は大統領府で作成され、公式のルートを経て報告された上で、すでに「公共記録物」として登録されている。文書が作成された場所も大統領府であり、流出した場所も大統領府だ。ところがこれを入手し報じたメディアを告訴しただけでなく、大統領自らメディアを批判するのは明らかに本末転倒だ

大統領は今回の問題の根本原因が、不透明な国政運営のやり方に起因している事実をしっかりと認識しなければならない。わずか数人の側近に頼り切った今の体制では、事実でないことが事実に変わり、これによっていたずらに問題が拡大することは避けられない。今回大統領の側近たちと関係する数々の疑惑が最初に提起されたのも、野党ではなく与党内部だった繰り返される人事の混乱も、一連の疑惑を既成事実と認識させるに十分だった。今国民が聞きたい言葉は、政権発足からまだ2年もたたないうちに表面化した今回の事態を、国政を根本から見直すきっかけにしたいとする大統領の決意の言葉ではないだろうか。

参考 朝鮮日報 2014.12.02

 

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