誕生から8年目→IPS細胞の今後は?

今年は京都大学・山中伸弥教授によってヒトiPS細胞(人工多能性幹細胞)が生み出されてから8年目になる。パーキンソン病のiPS細胞を使った治療法の研究を進める京都大学は今年初め、臨床研究の申請を行う予定で、網膜の臨床研究に続く2例目になる。

去年9月、iPS細胞は医療への応用に向けて大きな一歩を踏み出した。世界初のiPS細胞を使った移植手術は「加齢黄斑変性」という目の難病を煩う患者に行われた。手術は患者の腕から皮膚の細胞を採取し、iPS細胞を作製。このiPS細胞から網膜の細胞を作り、シート状に加工して患者の網膜に移植した。この世界初の手術について山中教授は「あくまでスタートライン」と話している。

山中教授「スタートしたにすぎません。これから多くの克服すべき問題、山積みであります。できるだけ早く前に進みたいんですが、同時により慎重に事を進める必要がある。そういう非常に大切な時期でもあると思います」

網膜の研究はまだ初期の段階で、安全性の確認を目的に6人の患者に行う計画で、今年も手術が行われる見通しだが、一般的な治療になるには長い道のりだ。

理化学研究所・高橋政代プロジェクトリーダー「予測が難しいんですけれども、10年以上はかかるんじゃないかなと

網膜以外の病気も研究が進んでいる。今年、大きく動き出すのが京都大学が行うパーキンソン病の治療の研究だ

山中教授「パーキンソン病の患者さんで、機能が損傷されているドーパミン産生細胞、これをiPS細胞から作って移植して治療しようと。すでにサルでそういった事が確認できつつありますので、非常に近い将来、臨床研究に入りたいと」

京都大学は今年初めにも臨床研究の申請を行う予定で、来年、患者への移植手術を目指している。

そして、大阪大学では心不全の治療への研究が進むiPS細胞から作製した心臓の筋肉の細胞「心筋細胞。大阪大学ではシート状にして心臓に貼り付ける治療の研究を進めている。心筋梗塞を起こした豚で実験を行ったところ、心機能が改善したという。

大阪大学・心臓血管外科の澤芳樹教授「今から3年(2017年)ぐらいには、ヒトに、患者さんに届くようにしたいなと思っています」

iPS細胞を使った新たな治療法の研究は、実用化に向けて着実に前に進んでいる

参考 日本テレビNNN 2015.01.03

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