訪問先でコーヒーを飲んではいけない理由

 日本で初めて「日本経営品質賞」を2度受賞(2001年度、2010年度)した
小山昇氏の新刊『1日36万円のかばん持ち――三流が一流に変わる40の心得』から、小山氏に、「三流が一流に変わる心得」を紹介してもらう

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● ★【三流】は、出されたコーヒーを「ゆっくり」飲む【二流】は、出されたコーヒーを「急いで」飲む【一流】は、出されたコーヒーを「飲まない」

小山 川村さんの会社は低温商品に特化した運送業だよね。配送ルートは全部でいくつ?

川村 約50です。社員だけでは網羅できないので、外注も使っています。

小山 だったら、外注先が回るルートと、社員が回るルートを入れ替えたほうがいい。どうして入れ替えたほうがいいのかわかりますか?
「アナグマ(穴熊)社長」の川村さんには、入れ替える理由がわからないかもしれないね。

川村 ア・ナ・グ・マ社長……?

● 一流社長のコーヒーの飲み方

多くの社長は「現場を見るのは、当たり前」と考えています

ところが、実際には現場に出向いて情報を拾い上げている社長は、ごくわずかです

私は、月に4~5社ほど「お客様訪問」(経営サポート会員の会社訪問)をしています。その際に心がけていることは、お客様の「現場」を隈なく見て歩き

●その会社が「どうしたら業績が上がるか」
 ●その会社が「どこで(何で)業績を上げているのか」

を見つけることです。

訪問先では、「お茶もコーヒーも出さなくていいです」と言っていますお茶を飲んでいる時間がもったいない

● 真実は現場にしかない

応接室に通されてお茶を飲んだところで、「どうしたら業績が上がるか」はわからない会社をよくする情報は「現場」にしかありません

株式会社低温(低温商品の物流/奈良県)の川村信幸社長は、かつて、現場を知らない「アナグマ(穴熊)社長」でした。
アナグマ社長とは会社ばかりにいて、外に出ない社長のことです

この会社は、冷凍チルド食品の配送、青果物、水産物の配送などが主な仕事です。

「約50」ある配送ルート(奈良県中心)を社員と外注を使って網羅していたのですが、私は、あることに気がつきました。

それは、
外注先が受け持っているルートと、低温の社員が回っているルートを入れ替えたほうがいいのではないか」ということです

低温の社員は「距離の長いルート」を受け持っていたため、残業が増えていました。
そこで、外注費用と社員に支払う残業代を比較してみたところ、「残業代のほうが高い」ことがわかった

仕事の効率を考えて発注した「外注」が、じつは「害虫」になって、お金を食い散らかしていたのです

私は、「かばん持ち」をしていた川村社長に「ルートの入れ替え」を提案しました。ルートを入れ替えた結果、どうなったと思いますか?

 毎月「250万円」の純利益が出たのです
私は常に現実・現場の目線で考え、経営判断を下すように心がけています自分自身が見聞きしたこと、体験したことによってのみ考える、と言ってもいい

なぜなら、「真実は現場にしかない」からです

<著者プロフィール>
小山 昇(Noboru Koyama)
株式会社武蔵野代表取締役社長。1948年山梨県生まれ。東京経済大学を卒業し、日本サービスマーチャンダイザー株式会社(現在の株式会社武蔵野)に入社。

ダイヤモンド・オンライン  2016.03.23

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