角膜機能維持→新タンパク質発見

黒目の表面を覆う角膜上皮の機能性の維持に重要な働きをしている新たなタンパク質を、京都大iPS細胞研究所の升井伸治講師や京都府立医科大の北澤耕司助教らのグループが発見したiPS細胞(人工多能性幹細胞)からの角膜上皮細胞の作製や、病気やけがの治療に役立つ成果で、米科学誌セル・リポーツで29日発表する
角膜上皮は角膜を守るバリアーとして機能しており、病気やけがで傷つくと角膜が濁り、視力の低下を招く。角膜上皮を人工的に作製する研究も行われているが、角膜上皮が作られるメカニズムの詳細はよく分かっていない。
升井講師はこれまでに、iPS細胞になるのを阻害するようなタンパク質は、成熟した細胞への分化や機能性の維持に関与することを見つけており、この仕組みを利用して細胞の分化にかかわるタンパク質を効率的に探し出す手法を開発している。今回、同手法を利用して、角膜上皮に多く存在するタンパク質の中から、角膜上皮への分化や機能の維持に関わる「OVOL2」を見つけた。角膜上皮細胞にあるOVOL2の働きを阻害するとバリアー機能が大きく低下した
北澤助教は「OVOL2は、角膜上皮の機能性の維持に関与する複数のタンパク質の中でも特に重要な働きをしているとみられる。品質の高い角膜上皮を見分ける目印としても期待できる」と話している。

京都新聞2016.04.29

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