親子の共依存が生む問題

お互いが相手に対してオープンに「頼る」ことができるというのは、夫婦や親子、友人同士などにおいて、ごく普通の健全な関係といえます。しかし、このバランスが崩れて、「頼る・頼られる」あるいは「世話をする・される」という役割に関係が定着してしまった場合、それは「共依存」と呼ばれる状態に陥ってしまうおそれがあります
共依存はアルコール依存症の患者とその家族など、さまざまな人間関係に見ることができますが、ここでは特に親子間での例について解説します

マザコンのステレオタイプに見る「共依存」の関係
たとえば、マザコンといわれる男性の典型的な行動パターンとして、「いい年をしてなんでも母親に聞かないと決められない」というものがありますこうした行動を繰り返した場合、「マザコン」というレッテルを貼られるのは本人ですが、彼が自分で物事を決められなくなってしまったのは本人のせいだけではありませんこの男性がこうした行動パターンをする背後には、彼が「自分で意思決定をできないように」コントロールしてきた親の姿があるのです
子どもの頃から、本人が自発的に行動する前に、先回りして親が世話を焼いてしまう。あるいは、自分で考える前に、親が「こうしなさい」と指示を出す。こうした蓄積が、「自分で決断することのできない」大人を作りあげてしまった可能性もあるのです

親にとっては「世話をする」ことが生きがい
このような親の問題点は、いつまでも自分の子どもを「無力な赤ちゃん」のように扱ってしまうことにあります。そして、親も「子どもの世話をする」ことが生きがいになってしまっており、いつまでたっても過干渉・過保護をやめられないのです
こうした共依存の関係は母親と息子だけでなく、母親と娘のあいだでも多く存在し、同性であることから「自分の理想を押しつける母親」のプレッシャーに大人になっても苦しんでいる女性も見られます
また、このように子どもに対して自分の価値観や理想を過剰に押しつける親の行為は、最近では「毒親」と呼ばれ、社会問題にもなっているようです

「大人のひきこもり」にも関係が
また、急増しているといわれている「大人のひきこもり」にも、親子の共依存が関係している場合があります。「大人のひきこもり」においては、当事者が実家にこもって家族以外と交流をしなくなるケースが多いといわれていますが、こうした例には「子どもを手放せない親」の存在が影響していることも考えられます。たとえば、なんらかの事情で仕事を辞めた自分の子どもが実家に戻ってきた場合。まるで「子どものころに戻った」かのように世話を焼いてしまう親と、その親の過保護を受け入れてしまい、実家から出られなくなってしまう子どもの例などは「共依存」にあたるといえるでしょう
しかし、ひきこもりの当事者がこのように心身にダメージを受けている状況では、本人が深刻にケアを必要としているケースもあり、周囲がその関係の正当性を判断することは難しいのも実情です。

もし、こうした親子関係に自分が息苦しさを感じていると気づいた場合、まずは自分と親の関係が共依存に陥っていないか、自分と親の行動をチェックしてみましょう。共依存の背景には「自分に対する自信のなさ」があるといわれていますが、そのことが「自分で考え、決めて、行動する」ことを妨害している可能性があります。
そして、もし自分の共依存的な傾向に気づいた場合は、勇気を持って依存の対象と一定の距離を置くことも大切といえるでしょう

参考 Mocosuku編集部 2015.04.10

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