衛星もオール電化→新エンジンで競争力

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2021年度の打ち上げを目標に、人工衛星のエンジンを電気推進に置き換えた「オール電化衛星」の検討を進めている。概算要求に盛り込んでおり、認められれば来年度から開発に着手する人工衛星の燃料搭載量を大幅に減らし、高性能化につながる技術で、担当者は「日本にとって重要な衛星飛躍的な技術向上を狙う」と意欲を示している
衛星の中でも競争が激しい通信衛星や放送衛星は、地上約3万6000キロの静止軌道を回っている軌道投入や制御には衛星のエンジンを使うが、現在主流の化学エンジンは衛星重量の半分を占める燃料が必要搭載できる機器のスペースは圧迫され、高性能化のネックになっている
そこで注目されているのが、小惑星探査機「はやぶさ」で使われたイオンエンジンに代表される電気推進エンジンだ推力は劣るが効率が良く、搭載燃料は約5分の1で済む米国や欧州のメーカーが開発を先行させており、JAXA研究戦略部の鳩岡恭志計画マネジャーは「この技術がないと市場で対抗できなくなる」と指摘する
課題は推力をどう改善するか。鳩岡さんによると、従来の静止衛星はロケット分離から軌道投入まで数日で済むが、電気推進エンジンでは数カ月かかってしまう
計画では、イオンエンジンより大きな推力が見込める「ホールスラスタ」と呼ばれるタイプを採用。電気推進エンジンとして世界トップクラスの推力を目指す。
打ち上げは21年度、現在開発中のH3ロケット2号機を予定している。鳩岡さんは「電気推進は必ず手に入れないといけない技術。新しい技術を開拓していくので、技術者としては非常にやりがいがある」と話している。

参考 時事通信 (2015/09/20-14:40)

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