若作りの人ほど→重大病を招く

師走は、みんなヘロヘロだ。疲れが顔に出る。でも、同じように仕事をして、忘年会に参加しているのに、いつも元気で若々しい人もいる。そんな人は概して健康的と思われがちだが、決してそんなことはない

元気な人の方が“万が一”のときは危ない若作りの人は要注意です」というのは、聖路加国際病院内科名誉医長で、西崎クリニック院長の西崎統氏だ。そういえば、ミスター・ジャイアンツもヤングマンも、脳梗塞で倒れ、重い後遺症が残っている。なぜ若作りの人は危険なのか

ポイントは、血圧と脈です。血圧は活動している日中に高くなって、夜間から寝ているときに下がります。この大きなリズムに加えて、ストレスや運動などの影響で、さらに上下する。健康診断で正常な血圧でも、仕事中の血圧が異常に高い人は少なくないのです。脈も、運動やストレスの影響で変化します。健康第一の医師が、脳梗塞や脳出血を起こすのは、概して夜勤明け。徹夜による睡眠不足とストレスのダブルパンチで、血圧や脈が乱高下し、重大病を引き起こすのです

■無理するほどNK細胞が弱る

自分は元気だ」という健康感と周りからの評判が健康自慢を増幅させていく。仕事と忘年会の疲れがたまっていても、週末は午前中から「健康のため」と運動で汗を流してから、午後は家族サービスに出かける。体力自慢で感覚的に「疲労回復は早い」と思っていても、体に感じない疲れが蓄積されていく。それが目に見えないストレスとなり、血圧や脈を乱し、血管にダメージを与えるのだが、血管の病気だけでなく、がんもヤバい

「たとえば、肺がんは心臓の裏にできると、エックス線ではかなり大きくならないと、見つかりにくい。肺の奥にできるタイプは、症状が乏しい。大腸がんも同じで、できる場所によっては、便通異常が表れにくいことがあります。大腸がんは“生活習慣病のがん”といわれるようになっていて、欧米食の影響が強い。つまり、健康自慢を気取って、いつまでも元気に肉を食べている人ほど、発症しやすいのですが、若作りの人は病気の意識が薄いので、がんも発見が遅れやすい

徹夜に強いのは、若さの象徴ではない。無理をすればするほど、がんと戦うNK細胞の活性が下がる。最大8割近く落ちるという

“がんとの戦闘要員”が8割も休んでいたら、体はがんに負けてしまう。「睡眠不足もヘッチャラ」と若ぶっている人ほど、がんにもなりやすいのはそのためだ

では、どうすればいいか。

「とにかく休むことですが、若作りの人は“運動=体にいいこと”と刷り込まれているため、疲れていても過度な運動をしがちです。仕事も運動もでは、そのうち体は悲鳴を上げます肩凝りや頭痛は血圧が上がったときに生じやすい。脈の異常は疲れがたまっているとき。これらの症状が表れたら、休むことです

本当に若々しくありたければ、安息日をつくることだ

参考 日刊ゲンダイ 2014.12.20

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