腸内細菌→日本人長寿の鍵?

日本人はコメやパンなどの炭水化物から無駄なく栄養素を作る腸内細菌が際立って多いなど、欧米や中国など外国人と腸内細菌が大きく異なる特徴を持つことを、早稲田大の服部正平教授(ゲノム科学)らの研究チームが国際科学誌に発表した腸内細菌は病気や健康との関連が指摘され、「世界一長い平均寿命などにも関係している可能性がある」という

人の大腸には約1000種類の細菌が数百兆個いて、健康に大きな影響を与えているという。研究チームは、19~60歳の健康な日本人男女計106人を対象に腸内細菌の遺伝子を解析。欧米や中国など11カ国計755人のデータと比較した。

その結果、日本人の場合炭水化物を分解して出る水素を使い、無駄なく栄養素を作る腸内細菌が多かった外国人の場合水素で不要なメタンを作るものが多かった。また、日本人の約90%に海藻を消化する遺伝子を持つ腸内細菌がいるのに対し外国人では最高で約15%の人にしかいなかった

さらに、日本人の腸内細菌には、DNAが傷ついた時の修復に関わる遺伝子が少なかったこれはDNAが傷つきにくい腸内環境のため、修復の遺伝子を持つ細菌が増えなかったことを示す結果という人の細胞の「がん化」につながるDNA損傷も起きにくいとみられる

腸内細菌の違いは食生活や人種などが大きな要因とされてきたが、細菌全体の種類別構成でグループ分けすると日本人はフランスやスウェーデンなどと近く米国・中国とは別のグループになることも分かった。服部教授は「食事や人種、地理的要素だけでは説明しきれないことが分かった。今後解明したい」と話している。【藤野基文】

毎日新聞2016.04.12

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