胃がん確率簡易チェック

年に推定13万人が新たに診断されるという「胃がん」大腸がん、肺がんと並び、患者の多いがんだ。国立がん研究センターが、年齢や生活習慣などをチェックすることで、自分が10年以内に胃がんを発症する確率を予測できるチェックリストを作った。

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 この簡易チェックリストは、新潟、茨城、大阪、高知、長崎、沖縄の6地域の40~69歳の住民約1万9000人を、1993年から2009年まで追跡調査した結果を基に作成された。

〈1〉性別と年齢〈2〉喫煙習慣の有無〈3〉塩分の高い食習慣の有無〈4〉胃がんになった家族(親か兄弟姉妹)の有無〈5〉ピロリ菌と慢性胃炎の有無の組み合わせによるABC分類――の5項目をチェックする。

自分が該当した全項目の合計点に応じて、10年以内に発症する確率が示されている。チェック項目は胃がんの危険因子で、合計点が高いほど、発症の確率が高まる。

最も大きく影響するのが、ピロリ菌と慢性胃炎に関するABC分類の項目ピロリ菌は胃の中にすみつく菌で、感染が続くと慢性胃炎を発症し、その後、胃がんを引き起こすことがある

チェックリストでは、ピロリ菌も慢性胃炎もない人を「A」ピロリ菌ありだが、慢性胃炎なしを「B」ピロリ菌も慢性胃炎も両方ありを「C」ピロリ菌なしだが、慢性胃炎ありを「D」に分類した。

ピロリ菌の有無にかかわらず慢性胃炎が認められる「C」と「D」のリスクは同等とされ、最も高い。慢性胃炎が長引き悪化した人の場合、検査でピロリ菌が検出されない場合もあるからだという。

 慢性胃炎が起きていなくてもピロリ菌がいる「B」も要注意とされる

一方、年齢が高くなるほど発症リスクは高まるが、男女差も大きい。同センターの推計では、昨年、新たに胃がんと診断された人の数は、男性が9万800人で、女性が4万2200人。男性の方が女性の倍以上多く発症するがんなので、同じ年齢でも、男性の方が高い点数になっている

チェックリスト作成の基となった大規模追跡調査では、血液検査で慢性胃炎が確認された70歳男性で、喫煙、食習慣、家族の危険因子を全て持っている場合、10年以内の発症確率が14%台だった。ただ、慢性胃炎のある70歳男性でも、他の危険因子がなければ6%台まで下がる。また、70歳男性でもピロリ菌も慢性胃炎もなく、他の危険因子も全くなければ、発症確率は1%に満たなかった

同センターの別の研究で、胃がんの発症率を都道府県別に比較すると、日本海側の地域で高い傾向が示されている塩分摂取の多い生活習慣などが影響している可能性も考えられる

同センターの笹月静・予防研究部長は、「自分の胃がんの発症リスクや危険因子を意識することが、検診の受診や、食事、喫煙などの生活習慣を見直すきっかけになればよいと思うピロリ菌がある人が除菌するかどうかは、症状や年齢なども踏まえ、かかりつけ医と相談してほしい」と話している。(読売新聞 高橋圭史)

参考 読売新聞 2016.01.17

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