肺がん転移抑制→心臓からのホルモン

国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)などは1日、心臓から分泌されるホルモンを使って、肺がんの手術後の転移を抑える臨床研究を大阪大、東京大の各付属病院など国内10施設が9月以降、順次始めると発表したがん細胞ではなく、血管に働きかけて転移を防ぐ新しいタイプの薬として効果が出るかどうか注目される

研究に使われるのは、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)と呼ばれるホルモン心不全の治療薬としてすでに承認されている近年、ANPが血管に作用して、がんの転移を抑制する効果が確認された

 臨床研究は、ANPの効果を詳しく調べるのが目的。肺がんの手術を受ける患者500人を手術の直前からANPを3日間点滴する群と、点滴しない群に分けて、手術後に肺がんが転移した割合などを比べるANPは、がんを抑える薬として未承認だが、研究は医療費の一部に公的医療保険が使える「先進医療」の枠組みが適用される

主任研究者を務める国循の野尻崇・ペプチド創薬研究室長は「ANPが、がんの転移を抑制するという新しいアイデアを活用した初めての臨床研究になる」と話す

臨床研究を実施する施設は以下の通り。

大阪大、東京大、北海道大、山形大、神戸大の各付属病院、国立病院機構刀根山病院、大阪府立成人病センター、大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター、山形県立中央病院、国立がん研究センター東病院(今直也)

参考 朝日新聞デジタル 2015.06.02

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