習近平指導部→ブーム去り難問に直面

中国の指導者、鄧小平氏(当時)が1970年代終盤に改革・開放路線を打ち出して以降、同国の官僚は無類の高度成長を誇らしげに指揮監督してきた中国の急速な台頭は海外で畏怖や称賛を呼び起こし、国内では権威主義的一党支配の共産党の正当性を強固なものとした

だが近年、高く評価されてきた経済官僚に代わり、即興型のグループが政策を策定しているように受け止められるケースがある15日発表の4-6月(第2四半期)の国内総生産(GDP)伸び率は7%と予想を上回ったものの、1980-2012年に記録した平均で2桁の成長からは大幅減速であることは否めない債務の伸びにも追い付いていない

習近平政権の経済チームにとって今年は輝かしい年とは言えない状況だ政府は国民に株式購入を勧め、その結果膨らんだバブルは6月半ばに崩壊4兆ドル(約495兆円)近くの時価総額が吹き飛んだ政府はその後、市場に荒々しく介入して株価押し上げのための措置を連発し、株価評価は実体経済から切り離された水準となっている

政治的な動機に基づく長年にわたる投資はリターンが低下し続け後に残されたのは過剰な工業生産能力のほか、マッキンゼーが28兆ドルと推計する過剰債務。4月には佳兆業集団が中国の不動産開発会社として初めて、ドル建て社債のデフォルト(債務不履行)に陥った。

政治体制

ベテラン中国専門家の1人である米ジョージワシントン大学のデービッド・シャンボー教授は「1978年以後の経済改革第一波では、中国の政治体制が偉大な推進役を果たした」とした上で、「現在から未来にかけて今後何十年もの改革と成長にとっては、それが最大の妨げとなる」との見方を示した

習近平指導部が直面している一連の課題は米国や英国、ドイツといった国々の当局者にとっても同様に当惑すべきものであることはほぼ疑いない。日米の過去の事例が示すように、株価の行き過ぎた上昇を容認したり、信用バブル膨張のリスクを無視したりするのは中国が初めてでない。このところのつまずきによっても世界2位の経済大国への台頭を打ち消すことにならない。

しかし、中国の指導者が1980-90年代に実践したように、国家が指示する融資や低廉な労働力、海外からの潤沢な投資をてこに途上国経済を運営することと、金融システムの刷新や消費主導型成長に向けた経済モデルの転換、不動産市場から企業や地方政府に広がった債務を同時進行でうまく処理することとは全く別だ

参考 Bloomberg  2015.07.16

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