縄文土器で魚介類煮炊き

 若狭町の鳥浜貝塚から出土した縄文土器が約1万4千年前から約9千年間、主に魚介類の煮炊きなどに使われていたことが、日英の研究グループの調査で分かった。県立若狭歴史博物館(小浜市)の鯵本眞友美主任らが分析し、研究成果は「米国科学アカデミー紀要」に掲載。鯵本主任は「食事に限らず、儀式に使うなど文化的な要因があった可能性もある」としている

日本国内の土器について研究している英国・ヨーク大のグループが、鳥浜貝塚の土器143片や付着物の成分などを分析。鯵本主任は資料の選定や考察に携わった。

分析の結果、143片のうち142片から脂質が検出され精査したところ、一部は動物や植物由来の脂質だったが、約77%が魚介類の煮炊きの際に染み込んだものだったという

土器片は約1万4千年前から約5千年前の縄文時代前期のものこの時代は魚介類のほかシカなどの動物、木の実なども食料になっており、鳥浜貝塚からは動物の骨や狩猟に使った石器類なども出土している

食料が多様になっても土器での煮炊きは魚介類が中心だったことが研究から裏付けられ、鯵本主任は「食べられるものが増えてからも土器で煮炊きしているのは魚介類が多い食事のためだけでなく、油を採取したり、煮炊きした魚を儀式に使うなどしていた可能性が考えられる」と考察している

日本の縄文土器は世界でも最古の部類にあたるとされ、同グループは平成22年から鳥浜貝塚を中心に、日本国内で出土した土器について分析している。

産経新聞2016.04.03

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