細菌排除する免疫細胞に骨折治癒促進

東大が発見骨折の完治早める新治療法に期待

 東京大学大学院医学系研究科の高柳広教授らの研究グループは細菌などの異物から体を守る「免疫」を担当するリンパ球の一種「ガンマデルタT細胞」が、骨折の治癒を促進することを突き止めた骨折した部位に同細胞が集まり、新しい骨の形成を促すたんぱく質を生み出すことが分かったマウスの実験で遺伝子操作により同たんぱく質が発現しないようにすると、骨折の治りが遅れることを確認した

 ガンマデルタT細胞は皮膚など体内と体外の境界部に多く存在するがん治療では、患者から採取した血液中の同細胞を体外で増やし、患者の体内に戻してがん細胞を攻撃する治療法がある同様の手法を骨折部位に応用し、骨の形成を促進できれば治療期間を短縮できる可能性がある

 生きたマウスの太ももの骨に直径1ミリメートル程度の穴を開け、骨の欠損が治る過程を解析した。骨の欠損部ではたんぱく質の一種「インターロイキン(IL)―17」が増加。遺伝子操作によりIL―17を発現しないようにしたマウスは、正常なマウスと比べて欠損の治りが遅かった

 細胞の実験で、IL―17は骨や血管などの基となる「間葉系幹細胞」の増殖を促すとともに、同幹細胞が新しい骨を作る「骨芽細胞」に分化する作用を促進することを発見液体中に分散した微細粒子を光学的に解析する「フローサイトメトリー法」により、骨折部位でIL―17を生み出す細胞の大半はガンマデルタT細胞であることが分かった

ニュースイッチ2016.03.15
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