糖尿病を抑える薬剤発見→京大グループ

特定の抗精神病薬の副作用である糖尿病の症状を抑える薬剤を、京都大薬学研究科の金子周司教授と大学院生の長島卓也さんらが、医療用ビッグデータと実験を組み合わせて発見した。珍しい研究手法で、今後の広まりが期待されるという。英科学誌サイエンティフィック・リポーツに20日、発表した。
グループは米国の食品医薬品局(FDA)が持つ700万件以上の副作用データベースを使用。その中で、統合失調症の治療薬「クエチアピン」と副作用の糖尿病に着目した
データ分析では、クエチアピン処方の患者は糖尿病発症のリスクが約20倍に増加していた。次にクエチアピンと併用する薬剤で、副作用を抑えているケースを調査ビタミンD併用では糖尿病発症率が3分の1に減っていることが判明した
ビタミンDが糖尿病発症を抑える仕組みはマウスで調べた。クエチアピンは血液中の糖が組織に取り込まれるのを阻害し、血糖値を上昇させることが知られていたビタミンDをクエチアピンと合わせて投与すると組織への糖の取り込みが阻害されにくくなることが分かった
金子教授は「医療用のビッグデータが使えるようになってから日は浅い。今後、この手法を使って新たな薬剤の作用を見つけられるはず」と話した

京都新聞2016.05.21

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