福島第1・3号機→津波懸念の職員に圧力

東京電力福島第1原発3号機で2010年9月に始まったプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料利用の「プルサーマル」に絡み、敷地への大津波襲来を懸念する旧経済産業省原子力安全・保安院の職員に、上司が圧力めいた発言をしていたことが30日までに、政府が公開した第1原発事故調査・検証委員会の聴取結果書(調書)で分かった

 <上司「余計なことは言うな」「関わるとクビに」>

  この職員は東日本大震災震災当時、保安院の耐震安全審査室長をしていた男性現在は原子力規制庁で原発の新規制基準適合性審査で地震・津波分野を担当している

  調書によると、男性は08年ごろから、宮城県などを襲った貞観津波(869年)クラスの大津波が福島第1原発敷地に襲来する可能性を認識。「ちゃんと議論しないとまずい」と考えていたという

  3号機でのプルサーマルをめぐっては、計画した東京電力に対し福島県が耐震安全性確認などの条件を出していたが、保安院は詳細な地震動評価や津波評価を見送り、施設の安全性のみを審議する方針とした

  このため男性が10年7月ごろ、原子力安全委員会に貞観津波の知見を議論してもらうよう上司に具申すると、複数の上司から「その件は安全委と手を握っているから余計なことは言うな」「あまり関わるとクビになる」などと言われたという

  上司の1人は過去に経産省資源エネルギー庁でプルサーマルを担当していた。男性は当時の保安院内の雰囲気を「貞観津波を懸念する人もいれば、プルサーマルを推進したい東電の事情を理解する人もいた」と説明。「昔から耐震安全審査をしている人の中には事業者の言いなりの人や、事業者と波風を立てずに仕事をしようという人もいた。保安院が事業者から軽く見られていた可能性はある」とも述べている

  政府が公開した調書では、佐藤雄平前福島県知事への聴取に同席した県幹部が「10年末に東電から貞観津波を踏まえた調査結果を今後、県に報告して議論するとの話があった。直後に地震(東日本大震災)が発生した」と証言している。

参考 河北新聞 2014.12.31

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