生活不活発病

震災後の被災地で広がっている「生活不活発病」。ちょっと聞きなれない言葉が、1月21日(水)に放送された『あさイチ』で特集されました。動かないことで、筋肉や骨などが衰え、心臓や呼吸器にも影響が生じ、歩行困難や寝たきりになることもあるとのこと仮設住宅での生活、職を失うこと、友人・知人と離れ離れになることなどが、こうした症状を産んでいるとのことでした。言葉の産みの親、大川弥生医師は「やることが無くて動かなくなる悪循環を改善するため、本人がやりたいことを見つけることが何より大切」と言っています。そのために家族や地域がサポートしていくことが求められています。被災地域では『生活活発化』の動きが広がっています

◆廃用症候群としての「生活不活発病
筋力低下は1日動かさないと3~6%も衰え、回復するには1週間を必要としますそんな日々が積み重なると、少し動いただけで息切れがしたり、部屋でじっとテレビばかり見ていたり、人に会うのが面倒になったり、外に出るのが億劫になってしまいます。これが、生活不活発病の悪循環です

生活不活発病は、1960年代以降、リハビリテーション医療の分野では「廃用症候群」と呼ばれてきました身体を動かさない生活をしていることで、全身の器官が機能低下していく症状を指します。筋力低下、体力の衰え、心臓機能低下、便秘、食欲減退、認知症、抑うつ状態など、身体と精神どちらにも影響します。そして、こうした機能低下が、仕事や人間関係など社会生活を大きく不活発にしていきます

◆悪循環を良循環に!
生活不活発病の悪循環を良循環に改善するには、「本人がやりたいことを見つけ出すこと」から始まると大川医師は言います。急に無理をすると達成も長続きもしませんから、実行可能な目標を設定することがポイントです

番組では、従妹に会いに歩くことから始まりました。当初、本人は面倒がったり、あきらめたりしていましたから、医師が同行して達成のサポートをしました。そして、一度達成して自信がつくと、「もっとやってみよう」という気持ちになって、次は部屋の掃除や家事をするようになりました

さらには、外に出て、知人と話しをしたり、交流会や運動会に拡がったり、ついには、農作業など仕事に取り組むところまで行ったことが、被災地での町ぐるみ運動として紹介されていました
動かなかったのが、動くようになり、動きやすくなり、さらに新しい目標が生まれ、活動の範囲が広がり、ますます動くようになっていく、というのが、生活活発化の良循環です

◆被災地や介護だけではない!
番組では被災地のケースが取り上げられ、生活不活発病の由来「廃用症候群」は、介護や病後の回復(リハビリテーション)の場面でよく知られていますが、それだけではなく、生活が便利になった現代では、子どもから働き盛りの年代にも、実は身近な話題です一日中デスクに座ったままとか、交通が便利で歩かないなどで運動不足が慢性化しています。ですから、廃用症候群は、別名「運動不足病」とも言われています

参考 Mocosuku編集部 2015.01.28

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