現代人の持病→テクノストレス

「テクノストレス」という言葉が話題になっています。これは、パソコンやスマホなどの情報端末を扱うことで起こる精神的・肉体的な不調全般を指します。つまり、現代人なら誰でも陥る恐れがあるトラブルなのです。ここでは、テクノストレスの詳細と、その対策について見ていきましょう。

30年以上前に指摘された症状

なじみのない病気の名称を耳にすると、「また新しい病気をでっち上げようというのか」といぶかしむ人もいるかもしれません。しかし実は、「テクノストレス」という用語自体は特に新しいものではなく、1984年に米国の心理学者クレイグ・ブロードが命名したもの。30年以上前に生み出された概念です。ただし、当時はコンピューターに日常的に接するのは一部の職種の人に限られていたため、そうした人々が共通に抱える病理として発見されたものです

テクノストレスの諸症状

テクノストレスというのは特定の病気を指す言葉ではなく、コンピューターやスマートフォンなどの情報端末を扱うことに起因するさまざまなトラブルの総称です。具体的には、以下の症状が挙げられます。

テクノ不安症

情報端末を扱うのが苦手な人が無理をして使用するうちにストレスを感じ、体調を崩してしまう症状動悸、息切れ、めまいなどの自律神経失調症状のほか、抑うつなどの適応障害の症状を起こす

テクノ依存症

情報端末の使用に没頭し過ぎることで起こる障害。パソコンやスマホがないと不安に感じたり、人付き合いなどほかの事を煩わしく感じたりする

VDT症候群(テクノストレス眼症)

パソコンのモニターなどの表示器機(Visual Display Terminal=VDT)を使用した作業を長時間続けたことにより、目や身体、精神に起こす障害ドライアイ、充血、視力低下、首・肩・腰のこり、食欲減退、不安感、不眠、抑うつ症状──などが見られる

スマホがないと不安な人は要注意

「テクノ不安症」は比較的中高年に多く、業務上情報端末を使わざるを得なくなった人が起こしやすいと言われています。一方、「テクノ依存症」や「VDT症候群」は、情報端末をバリバリと使いこなす比較的若い層に見られます。パソコンやスマホ、タブレット器機といった情報端末は、もはや現代人の生活には欠かせないものとなっており、テクノストレスを抱えていく人はいっそう増えていくと予想されます。「スマホが手放せない」という人は、テクノ依存症の疑いがあるので注意が必要です

テクノストレスの対処法

テクノストレスの症状を悪化させないためには、適切な予防・対策が重要です。以下に、テクノストレスの予防法を挙げます。もしも不眠や抑うつなどの症状がひどいようなら、心療内科などを受診することをお勧めします。精神的な失調は、早期の段階で適切な治療を受けたほうが回復も早いからです。

情報端末に接する時間を制限する

就寝前の1〜2時間は端末での作業をしない

作業中もこまめに休息をとる

作業を中断する時は頭をリフレッシュする

毎日人と交流する機会を持つ

感情を積極的に表現する

運動する、音楽を聴く、自然に接するなど心身をリラックスさせる

テクノストレスからは逃れられない?

名称からもわかるように、テクノストレスも多種多様なストレスの一種です。つまり、「得意不得意にかかわらず、情報端末の操作はストレスになる」という認識を持ち、定期的にストレスを発散する作業が必要なのです特に不眠気味の人は、寝る直前まで情報端末を使用するのは避け、脳を休ませることが必要です情報端末の画面が発するブルーライトの問題でも、同じことが指摘されています。テクノストレスは、いわば現代人が抱える持病であり、そこから完全に解放されるのは難しいでしょう。病気とうまくつき合っていけるように、自分なりの対処法を身につけたいですね。

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