熊本地震→余震かが怖くて、あえて車中泊

熊本県阿蘇市の避難所で女性(77)が倒れて急性心不全で亡くなり、震災関連死の可能性が指摘されている。「人ごとではない」。高齢者らは18日、自らの境遇を重ね、おびえた表情を浮かべた。一方、「余震が怖くて天井がある場所は不安」と、車内での生活をあえて選ぶ被災者も多く、疲労は蓄積するばかりだ

亡くなった女性がいた阿蘇市の避難所。避難者の女性(69)は「私も年寄りだし、避難も長期化しそうだし、足腰も悪い。不安で心細い」と話した

熊本県益(まし)城(き)町の避難所、保健福祉センターでも大勢のお年寄りが床に座り込んでいた。同町の農家、山口美子さん(81)は15日にこの避難所で、ストレッチャーで運ばれる男性を見た。「青白い顔をしていた。ストレスだと思う。自分も具合が悪くなっている」。無職の田中勲さん(75)は「人ごとじゃねぇな」とつぶやいた。

一方、車内での生活をあえて選んだ同町福原の河添文彦さん(43)は「油断があった」と話す。河添さんの自宅は、震度7の地震では天井が少し壊れた程度だった。「これ以上大きな地震はないだろう」と15日夜は避難所から自宅に戻った。だがその後、震度6強の地震が発生。けがはなかったが、現在は家族と親(しん)戚(せき)計5人で車3台で寝泊まりする「余震がいつ起こるか分からない。自宅室内では安心できなくなった」

自宅が全壊したという、同町杉堂の森本晃彦さん(52)の家族は、車5台で計12人が生活。ただ、森本さんの父親は80歳と高齢で、車内で寝るのは体力的に厳しい。そのため、軽トラックの荷台に布団や毛布を敷き、足を伸ばしてくつろげるベッドにした。夜はビニールシートで屋根をつくり、寒さをしのぐという。森本さんは「ここ数日眠れない日が続いた。安心して疲れを癒やせる場所がほしい」と話す

約1千人が避難生活を送る同町総合体育館では、けが人はいなかったものの、今回の地震でメーンアリーナの天井が崩落した。体育館近くの駐車場に車を止めて生活する村上佐江子さん(43)は「避難所が空いていたとしても、車の方が精神的に楽」。ただ、家族がエコノミー症候群にならないか心配といい、「特に高齢の家族は車の中に閉じこもってしまいがち。あえて配給品を取ってくるよう頼み、運動してもらってます」と、健康面を気遣っている様子だった

産経新聞2016.04.18

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