漢方=中国→間違っている

更年期をはじめ、加齢による「なんとなく不調」を感じることの多い40~50代。漢方を試してみたいけれど、よく知らないという人も多いようだ。最近は西洋医学の医師にも、治療に積極的に取り入れている人が多い漢方。知っておきたい漢方の基礎知識を「芝大門 いまづクリニック」院長の今津嘉宏さん、漢方薬剤師の樫出恒代さんにうかがった。

Q1 漢方薬は何からできている?
漢方薬は自然の植物の葉、茎、根などを中心とした生薬(一部動物や鉱物由来のものもある)を組み合わせて作られた薬漢方理論や臨床経験に基づいて、所定の生薬を定められた法則で組み合わせて作られる
とえば風邪薬として知られる葛根湯は、葛根、甘草(かんぞう)、芍薬(しゃくやく)、大棗(たいそう)、生姜、麻黄(まおう)、桂皮(けいひ)の7種類の生薬を一定の割合で組み合わせたもの
古くは生薬を刻んで煎じて飲んだが、現在は抽出した液を濃縮・乾燥し、顆粒状に加工した「エキス顆粒製剤」が用いられることが多くなっている

Q2 漢方って中国から来たもの?
「漢方=中国のイメージがあるかもしれませんが漢方は日本の伝統医学そもそもは中国に起源を持ち、東アジアに広がり、5~6世紀頃に中国から、または朝鮮半島経由で伝来した医学が日本独自の発展を遂げたものです。江戸時代中期にオランダ医学が入ってきたときに蘭方と呼び、それと区別するために日本の伝統医学を漢方と呼ぶようになったのです」と今津医師起源が同じでも、中国では「中医学」、韓国では「韓医学」、日本では「漢方医学」と、異なる医学として発展したのだ

Q3 体質に応じて処方が違う? どんなふうに違う?
体力や抵抗力が充実している人を実証、体力がなく弱々しい人を虚証と診断し、同じ病気でも使われる薬が違う。また、「気」(元気や気力、気持ち)、「血」(血液)、「水」(血液以外の体液)の3要素が体内を巡り健康が維持されているととらえる。不足や滞りなどによって不調や病気が起こると考え、状態に合わせて診断し、薬を選ぶ。
「漢方はひとつの症状だけでなく、全体を診るホリスティックな医学。その人が全体的に元気に健康になるために、一人一人に合った処方やアドバイスができるのです」(樫出さん)

Q4 漢方医学と西洋医学の違いは? 併用もあり得る?
病気そのものを局所化して診る西洋医学に対し心身の全体的なバランスを整えていくのが漢方西洋医学が病気を診て、漢方医学は人を診るとたとえられるのはそのためだ
また、西洋医学で処方される合成薬は、単一成分。ひとつの症状にひとつの薬を用いるため、効果は強力だが、症状が複雑になると薬の種類も増える。それに対し、たくさんの成分が含まれる生薬を複数組み合わせる漢方薬は、複数の症状に1種類で対応できることも

「医学部での漢方の授業が必須となり、生薬の成分の分析も進み、併用する医師も増えています。たとえばがん患者の治療では、抗がん剤の副作用軽減のため漢方薬が併用されることも多くなりました」(今津医師)

OurAge2016.04.08

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