海外セレブも愛用!→ランドセルの魅力

円安などの影響で日本への観光客が増えているほか、世界的にも日本の食やカルチャーへの関心が高まっている日本人にとって「当たり前」の文化や生活習慣、流行はときに、外国人によって別のトレンドに生まれ変わる。今の日本は外国人からどのように映るのか。英ロンドン発のシティガイド「Time Out Tokyo」の外国人記者がレポートする。 セレブたちの背中を彩る最新のトレンドの発祥となったのは、ファッションショーのステージではなく日本の小学校だ。そう、どこにでもあるランドセルが、今や小学校を卒業した人々にとっての憧れのアイテムなのである。

ランドセルは本来、重い教科書を持ち運ぶために子どもたちが背負う実用品だが、今ではどうやらファッション通にとってのマストアイテムとなっているらしいハリウッド女優・歌手であるズーイー・デシャネルが赤いランドセルを愛用しているだけでなく、ファッションに敏感な外国人男性が背負っている姿もファッションブログなどで見かけられる。一体どうやって、この典型的な日本の”アクセサリー”は学校からファッションブログへの道を辿ったのだろうか。

■ 元は兵士たちが使っていたナップザック

実用的なナップザックは、19世紀中頃には日本に存在していた兵士たちが、オランダ語で「ランセル」という輸入もののリュックサックを使い始めたのである

その後、数十年の年月とカタカナ語としての定着を経て、同バッグは日本の都市や田舎の子どもたちが学校用品を持ち運ぶのに使われるようになった。教育システムや公立学校から義務付けられていたわけではないものの、生徒たちはランドセルの使用を奨励され、その伝統が現在まで続いているというわけだ

この角形のバックパックは3万円から12万円とかなり高額ではあるものの、それにはしっかりとした理由があるそれは非常に頑丈であるというだけでなく、小学校6年間通しての使用が前提になっているのだ。たいていの場合、祖父母はこの必需品に喜んで財布を出す。これは子どもたちの教育課程の最初の一区間を通じて使えるように作られているのだ

のがっしりとしたバッグは約3kgの本、書類、雑貨などを持ち運べるだけの頑丈さを持っている(日本の小さな子どもたちが重さのバランスを取ろうとしてよたよたしているのを、見かけたことがあるのではないだろうか)。比較的安価なものなら頑丈で防水機能付きの人工皮革製、さらにいくらか積めば、皇室御用達といったような手作りの高級本革製のものが手に入る

一般的にランドセルを販売しているのは、デパートやチェーンの大型スーパー、専門店などで、特に新年度が始まる前の春先に多く販売される伝統的に女子は赤、男子は黒のランドセルを持つ

この古典的な色分けは今でも存在するが、ランドセルは今や虹色の世界となっており、女子はピンクやスカイブルー、男子はネイビーや茶色を選ぶ傾向にある数十年前には、赤と黒以外を選ぶのは不適切だと思われていた。だが時代は変わり、子供たちのランドセルはユニークなデザインや柄のついたカバーなどで彩られるようになった

ズーイーがニューヨークで真っ赤なランドセルを背負っている姿を目撃されるよりずっと前、日本の少女たちはフリルのついたスカートとランドセルを絶妙に組み合わせて、原宿の通りを歩いていた

自然な流れとして、日本の流行はすぐに海を渡ることになり、ランドセルは今や「Pinterest」や「Instagram」の世界で定番となった

■ 海外セレブは定番色がお気に入り

旅行者の間でもランドセルは人気で、セレブやモデルたちは定番の赤や黒を好む傾向にあるが、子どもたち(あるいは親たち? )はこぞって明るい色やコントラストのある縫い取り、名前の刺繍やきらきらのアップリケ、波形仕上げの縁、ラインストーン、キャラクターモノやツートーンのモデルなどに熱を上げている

『ナイキ』や『プーマ』といったブランドはオリジナルのスポーツバージョンを生産しており、『バービー』は、容易に想像がつくとは思うが、彼女自身のホットピンクコレクションがあるほどだ(『eBay』にて各10万円前後で購入可能)。

ランドセルがファッションアイテムとして流行するというのは面白いトレンドだ大半の日本人にとっては、海外のセレブがランドセルを背負っている現象は不思議かもしれないこれが日本でファッショントレンドとして受け入れられるかはわからないが、渋谷では自分仕様に「カスタム」したランドセルを使っている若い人を見掛けることもある海外からの旅行者にとっても、クラッシックな赤や黒のランドセルはいいお土産になるだろう

ただ、小学生が背負うにはがっしりとして見えることが多いランドセルだが、トレンドセッターの大人が背負うと明らかにちっぽけに見えると言わざるをえない。だが、小柄なズーイーにはこれくらいでちょうどいいのかも……。

参考 東洋経済オンライン 2015.06.02

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