注意すべき病気→シグナル4

尿の異常は病気のサインです血尿をはじめ、乏尿、無尿などがありますが、意識していないと気づくのが遅れる場合もあります。さまざまな尿の異常の特徴をよく知って、病気の可能性を疑い、適切な受診につなげていくことが大切です。

肉眼的血尿と顕微鏡的血尿

尿に血が混ざることを「血尿」といいますこれは腎臓や尿道の病気のサインです比較的男性より女性に多く見られます。また、血尿が発見される確率は、加齢とともに上昇します。血が混ざっていることが目で見てわかる状態を「肉眼的血尿」、色の変化が見た目ではわからないものを「顕微鏡的血尿」と呼びます。

いずれも非常に重要な病気のサインです膀胱がんの85%は、肉眼的血尿をきっかけに発見されます。また、腎臓がんも肉眼的血尿をきっかけに見つかることが少なくありません。また、顕微鏡的血尿でも、がんなどが発見されることがあるので注意が必要です。

血尿の原因となる病気

血尿の原因はがんや結石、膀胱炎などの炎症、腎臓の病気などさまざまです
顕微鏡的血尿を起こす主な病気は腎臓の糸球体(しきゅうたい)に原因があることがあります。この場合尿にタンパク質が混ざっているかどうかが重要なサインです。

血尿を伴うことがあるがんには、「膀胱がん」「腎臓がん」「前立腺がん」「尿管がん」「腎盂がん」──などがありますが、いずれも早期発見が重要です。中でも、膀胱がんは顕微鏡的血尿で診断されるがんの中で最も多いものです

また、「尿路結石症」では、ほとんどが顕微鏡的血尿を伴います「膀胱炎」でも血尿や膿尿(白血球が混じった濁りのある尿)を伴う場合があります。このほか、腎臓の血管の奇形でも血尿をきたすことがあります

乏尿と無尿

健康な成人の場合、24時間の平均尿量は男性は1500ml、女性は1200mlと言われています腎臓における尿の生成が少なくなり、1日の尿量が400ml以下になった場合を「乏尿」と呼びます。これは腎機能の急激な低下をきたした「急性腎不全」に特有の症状です。さらに症状が進み、尿量が極端に減少して1日尿量が100ml以下になった場合を「無尿」といいます。

膀胱内の尿を排出できない「尿閉」とは区別が必要です。尿閉は膀胱に尿が溜まっているため、強い尿意を自覚したのちに下腹部に激痛が生じます。一方、乏尿や無尿の場合は尿そのものの生成量が減っている、もしくは生成した尿を膀胱へ運ぶための経路に問題があるため、尿意などの症状がないという違いがあります

乏尿・無尿の分類と原因

腎臓の排泄機能を担う構造を「ネフロン」と呼びます。ネフロンは腎小体(糸球体)と尿細管によって構成され、両腎で約200万個が存在します。乏尿・無尿は、原因がどこにあるかで「腎前性」「腎性」「腎後性」の3つのタイプに分けられます。

腎前性

原因がネフロン以前にある場合で、腎臓の機能自体は正常に働いています。多くは腎臓の血液供給が減少することで起こります。原因としては、ショック、出血、心疾患などによる循環不全や、下痢、嘔吐、高度発汗などによる循環血漿量の減少や血栓形成などによる腎動脈の閉塞などがあります

腎性

腎臓そのものの障害が尿量を減少させているタイプです。「急性尿細管壊死」を起こしている場合が多く、その他には、「腎炎」「ネフローゼ症候群」「慢性腎盂腎炎」「水腎症」「腎結核」「胞腎」──などが考えられます

腎後性

両側の腎盂(じんう・腎臓からの尿が集まるところ)や尿管が閉塞し、尿量が減少した状態です。原因としては、結石、腫瘍、炎症性狭窄、手術時の結紮などのほか、骨盤内悪性腫瘍の進展やリンパ節転移などによる圧迫・直接浸潤などが考えられます。特に、片方の腎臓を摘出した単腎の人は、尿路結石や尿路腫瘍により乏尿や無尿を引き起こしやすいので注意が必要です。

血尿・乏尿・無尿を起こす病気の予防

肉類など動物性脂肪を摂りすぎると、尿中のシュウ酸濃度が上昇して、結石ができる原因になります。また、アルコールの飲み過ぎやレバー、真イワシなどのプリン体を多く含む食品の摂り過ぎでも尿酸結石を引き起こすことがあります

また、動物性タンパク質や塩分の摂り過ぎにも気をつけましょう。アルコールを飲むときは、なるべく一緒に水分を摂り、尿が濃くならないように気をつけましょう。尿中のカルシウム濃度を低下させる働きがあるクエン酸を多く含む酢や柑橘類を積極的に摂ることをお勧めします

 膀胱の細菌感染を防ぐために大事なことは、トイレに行くのを我慢しないことと、水分補給です水分は身体を冷やさないためにも温かい飲み物がベターです。また、生理用ナプキンやおりものシートは、3時間を目安にこまめに取り換えるようにしましょう。

もし血尿・乏尿・無尿を起こしたら

自分では発見するのが難しい顕微鏡的血尿などは、尿検査を受ければわかります。1年に1回は健康診断を受けましょう。痛みや肉眼的血尿など、明らかな異常がある場合は、速やかに泌尿器科を受診しましょう。以前よりも尿量が減少したと感じた時も同様です

 

参考 mocosuku woman  2015.07.01

 

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