水素還元製鉄→コース50

製鉄過程で生じる二酸化炭素(CO2)排出の抜本削減を目指す官民共同の長期技術開発事業「COURSE(コース)50」の一環で、高炉4社などは6月から試験高炉を用いた1回目の実証試験を開始する試験高炉は昨年、新日鉄住金君津製鉄所(千葉県木更津市)で完成し、これまで試運転を行っていた。同事業の柱となる水素還元法の技術確立に向け水素ガスの最適な送風操作条件などを探る

同事業を進める新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、日本鉄鋼連盟が23日、現地で報道陣に試験高炉を初公開した
コース50の試験高炉は高さ約6・5メートル、炉容積12立方メートル世界で3基目の試験高炉で、過去に稼働したものも含め試験高炉では世界最大になる。国内での試験高炉の稼働は約25年ぶり。
2015年10月に完成し、12月8日に初出銑に成功した。この半年で2回の試運転を行い設計通りの機能を確かめた。
16年度は2回に分けて試験高炉で水素ガスの吹き込み実験を行う。1回目は4月からの準備を経て6月ごろ火入れ予定。通常の高炉と同じ3直4交代で1日35トン出銑する操業を約1カ月続ける計画だ
約1カ月の操業後は吹き止めし、炉内に残った原料を取り出して分析する「解体調査」を行う。収集データをこれまでのシミュレーションデータと照らし合わすなどしてCO2削減に有効な送風操作の技術確立を目指す
 08年度に始まったコース50は現在、フェーズ1ステップ2(13~17年度)の段階。ステップ2の事業費は約160億円で、約半分の80億円を試験高炉建設に充てた
ステップ2では、試験高炉に先立ち君津製鉄所に建設したCO2分離・回収プラント「CAT30」と試験高炉との連動運転もテーマで、16年度後半に行いたい考え。
同日現地で計画を説明した上野浩光プロジェクトリーダー(新日鉄住金執行役員)は「安全第一に試験高炉を操業し、着実に成果を重ねたい」と述べた。

鉄鋼新聞 2016.03.24

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