機能別彼氏を求めるキャリア女子の実態

通話やゲーム、電子書籍――ガラケーやスマートフォン、タブレットを機能別で持つように、複数の彼氏を機能別で使い分ける女性たちが増殖している都市部に住む、高学歴のオーバー35女性ほどその傾向が顕著だという。そんな“機能別彼氏”を使いこなす? 女性たちの生の声を聞いてみた

本命の彼といえども欠点や足りないところはあります。それを別の男性ひとりで補えるといいのですが。すべてとなるとちょっと現実的ではないですよね? だったら複数に分散すればいいかなと……。男性それぞれが持つ長所だけを“つまむ”というわけです

得意分野の異なる男性複数人と同時進行で付き合う“機能別彼氏”を持つ理由をカナさん(39)はこう語る。彼女は、関西の名門女子大学卒、国内航空会社を経て、現在、外資系航空会社CA、離婚暦ありの独身だ今、本命の彼氏とは別に「セックス」「(悩みや愚痴の)吐き出し」「食事&飲み」「ルックス」「趣味」「学び」「癒やし」……と、それぞれ8つの機能にわかれた彼氏がいるというのだ

「本命を含め、彼らひとりひとりをみれば、どこか“帯に短し、たすきに長し”といったところは否めません。でも、彼らを“チーム”と思えば求める男性の理想像が成立しています」(カナさん)

39歳という年齢の割に若く見え、ブランドものとファストファッションを品よく上手にコーディネート。そのファッションセンスから育ちのよさがみえる。そんなお嬢様育ちの彼女から想像もつかない話が次々と繰り出される

「セックスパートナーの彼とのエッチは本命の彼と違って、魂と魂が惹かれあうSEXです私から“中出し”しないという条件でコンドームを着けずにしてもらっています。もう離れられません……溺れてしまいました」(前出・カナさん)

よく特定のパートナー、既婚者が、別のセックスパートナーを持つのは、SMやスワッピングなどの特殊性癖が介在するという話がある。だがカナさんはこれをきっぱり否定する。

遊びで手錠や目隠し、ローションを使ったことはありますが、基本、アブノーマルなことはしませんぶつかり合うくらいにエッチの相性がいい。そこに尽きます」(同)

本命の彼にはないSEXはこのセックスパートナーによって満たされた。だが日々の日常生活で起こる些細な不平や不満を彼は受け止めてくれる相手ではない。

「話せば親身にアドバイスをしてくれるのですが、どこか私が納得できるものではないのです。そこで登場するのが“吐き出し”パートを担う彼氏ですただ聞いてくれるだけではなく、私の投げかけた愚痴にもひとつひとつわかりやすい言葉で的確に返してくれます。彼のおかげで私のストレスは軽減されますだから本命の彼に八つ当たりすることもなくなりました」(同)

しかし、この吐き出しパートナーの彼は、カナさんにとって一緒に遊びに行くなど、楽しい時間を過ごす相手ではないという。

「会って食事するにしても女性が喜ぶようなお店を知っているわけでもないし……。かといって趣味も合わない。そうなると楽しい時間を過ごす趣味のパートナーのほうがより機能的です」(同)

そんな趣味を謳歌するための機能別彼氏は、過去にはカラオケ、ダーツ、ボウリングとそれぞれいたとカナさんは語る。だが彼らとは、転勤や親の介護などで今ではもう途切れてしまった現在は、大学時代、映画研究会に属していたという“趣味(映画)”を受け持つ彼だけだ。本命彼が酷評した映画も“映画彼”だと感動を共有できる。

「本当は本命彼といっしょに映画を楽しむのが理想です。でも、そもそも映画をあまり観ない人。そんな彼に映画に付き合ってもらっても、お互いにつまらないだけです。そこで映画彼の登場です。私、本命彼、映画彼、3者全員がwin-winの関係ですね」(同)

映画彼に限らず、数ある機能別彼氏を複数使いこなすようになり、カナさんは、「本命彼に愚痴をこぼしたり、無理なことを求めることもなくなったので、かえって本命彼との関係が良好になった」と話すつまり複数の機能別彼氏を持つことで本命彼にも優しくなれるというわけだ。そうなると本命彼の短所が目についてもノープロブレムだ

「人間だから誰しも短所もありますよ。本命彼の欠点、そこは機能別彼氏で補えばいいや! と思えるようになります」(同)

機能別彼氏の使い分けは、「美活効果がある」と語るのはアユミさん(40)だ。いかにも仕事のデキるといった雰囲気漂う肉感的な美人だ。落ち着き払った物腰がかえって恋愛では情熱的と思わせる

本命とそれぞれの機能ごとに、大勢、複数の男性からの愛を受け取れますだから溢れんばかりの愛に包まれますそしてずっと女でいられて綺麗になれますそれぞれの長所だけをみてタイプの違う男性とのお付き合いは私自身の人間としての幅も広げてくれます」(アユミさん)

こう語るアユミさんは、かなり年上の機能別彼氏を人生相談に、同年代のそれは「共感」「癒やし」と使い分けているという。ほかは先に紹介したカナさんと同じく、SEXや趣味、吐き出しなどの機能別彼氏が複数いる

たったひとり、オンリーワンの彼氏だけだと、自分自身という人間を小さく纏まってしまいかねないでしょ?でも複数同時進行でそれぞれの男性のよさだけをみて付き合う恋愛では、たったひとりと向き合う恋愛では得られない情報量と視野の広がりが感じられます。仕事にも、本命、複数いる機能別彼氏たちとの恋愛にもそれが生かされています」(同)

中京地区では名門として知られる私立大学卒、大手旅行代理店でフルタイムで勤務する独身高学歴キャリア女性だけあって、仕事に直結した機能別彼氏を使いこなしているのかと思いきや、話を聞くとどうやらそうではないらしい。

学ばせてくれる彼だけだと私もつまらないですお酒を飲みながらするお話が楽しい彼、顔だけ好きな彼と、私の日常とはかかわることのない彼らとのお付き合いもまた私という人間の幅を広げてくれるというものです」(同)

イケメン好きなアユミさんの「顔だけ」の機能別彼氏は知的、癒やし系、かわいい系、カッコいい系などなどと細分化、“使い分け”ているという

複数の男性との交際に嫌悪感を持つ向きもいるかもしれない。だが彼女たちは、「法的には問題はない」(アユミさん)と語る。たしかに、その好悪はさておき、不倫とは異なり、独身者同士の恋愛なのでとがめられる理由はない。なかには既婚者もいるがその場合は、「プラトニックな関係に留めている」というからモラル面での管理は徹底している。

機能別彼氏を持つ彼女たちは、その存在を交際するすべての男性に率直に話すという。「等身大の自分を知ってもらう」(冒頭部で紹介したカナさん)ためだ。

しかしこれは男性側にとっては諸刃の剣ともいえる。複数の機能別彼氏を持つ女性との交際経験のある男性ふたりに聞いた。

ひとりは「男性に目の肥えた女性に選ばれたという自信がついた。ほかの男性の存在は自分も刺激を受けよい影響を与えてくれた」と肯定的。だが、もうひとりは「他の男性の存在が気になり嫉妬で狂いそうになった」と否定的に語る

普段使いの本命彼氏、諸々の機能別彼氏たちが、他の「機能」を牽制するようになると日常生活にも支障がでる。それさえ気をつければ一度切りの人生を楽しむ手段といえるかもしれない

※本文中、カタカナの名前は仮名です。

(ライター・志村ひな子)

dot.より転載

 from dot.2215.010.24
 images-3-48-150x150images

【関連する記事】